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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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◆三宝荒神(鍛冶神様)について調べてみました。 その1

ここのところ、本ブログでは鍛冶神様(三宝荒神)について何回か取り上げてみました。

鍛冶神様や荒神様についていろいろ分かって来たので、私の覚えを兼ねてなるべく分かり易く纏めたいと思います。

三宝荒神の三宝とは、仏と法と僧のことです。この三宝を守る仏が三宝荒神です。
 
荒神様は、どうも日本の仏教にしか出てこない謎の多い神(仏)様のようで、密教はもとより、道教や陰陽道、修験道、神道、民間信仰の神々などが複雑に絡み合い生まれたようです。
 
三宝荒神に纏わる書物を調べていくと気になった個所がいくつか出てきました。このようなものです。


①役行者が葛城山で修行中、出現した。

②奈良の東大寺建立中、怪我人が続出した。頭を抱えた聖武天皇に荒神を祀れとお告げがあり、そのようにしたら治まった。

③空海が高野山に大伽藍を建立する為、地鎮の法を修した際に出現した。

④日蓮宗では三宝荒神は十羅刹女(じゅうらせつにょ)であると説く。

⑤江戸時代の僧、慈雲は諸神の荒魂を集めたのが荒神と説いた。

⑥台所、竈の神としての意味もある。火の神。



・・・といった具合に様々な話が出て参りましたが、改めて箇条書きにしますと共通項が見えてきました。

①と③からは、どちらも偉大な宗教者の前に現れますが、出てきたのは山の中のようです。②の東大寺の事故続発案件も、聖武天皇が良弁僧正にお願いし、鷲峰山の荒神に祈ったとあるのでやはり山です。
 
山は異界、あの世といった意味もあります。まつろわぬ神々がいる場所とも言えます。
 

④と⑤からはどちらも元々は荒ぶる神、鬼神ということです。どちらも人間から見たら恐るべき神々です。十羅刹女も、インドでは元々人間を食らう鬼神でしたが、釈迦の説法を受けて戒心し普賢菩薩の御眷属となったとありました。羅刹とありますが、その姿は美しい女神です。
 

⑤の話はなるほどと思いました。荒神様の御経を読むと、荒神様の御眷属の件が出てきますが、その御眷属の数が9億9万8572神とあります。


仏教では仏様の御仕事の中に救済があります。慈悲という概念があるからです。これは人や動物、生き物はもちろんですが、慈悲の力は鬼神や魔神にも注がれています。三宝荒神は仏教の仏ですから、名も無き荒ぶる神々(祟り神)をも救済しているのかもしれません。もう膨大な数です。

 
⑥の火の神は昔から怒らせると人に祟ると言われるキツイ神様です。やはり荒神様はキツイ性格だなというのが良く分かります。


こうして改めて考えますと、鍛冶神様を倉庫部屋に何年もしまいっぱなしだったことを、凡人の私に気付かせてくれた訳ですが、当時はその気付かせ方も荒っぽいなと思いましたが、鍛冶神(荒神)様の背景が分かってくるとなるほどでした。(事の詳細はこちら


傷みを伴う気付かせ方でしたが、仏様でもあるので流石に命や健康に及ぶようなことは無かった訳です。実行に移される前は、「体の弱い父親は流石にマズイ、健康な息子の方を刺すか」という話になったのかもしれません。

 

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参考文献 仏尊のご利益功徳事典 大森義成著 学研

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