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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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◆繰り出し位牌と浄土真宗

父が亡くなり、1年と3か月が過ぎました。最近、母から家のそんなに大きくない仏壇の中にある、古い位牌をどうしようと相談を受けました。位牌は全部で三つあり、一つが普通の漆塗りの位牌。後の二つは観音開きの扉がついた繰り出し位牌というものです。
 
3912108_s.jpg
(フリー画像です)

扉を開けると、中に板が何枚も入っていて、故人の法名が書かれています。

うちの場合、一つは私の曾祖父、もう一つは曾祖母の法名が書かれていました。どちらも50年の節目の法要は終わっています。もう一つの位牌はいわゆる普通の黒塗りの小さい位牌で、これは父の兄のものです。3歳で病気のため亡くなったと聞きました。

 
仏壇の中もごちゃごちゃしてきたので、檀家寺に相談することにしました。電話をし、位牌を全部持っていくことになりました。


檀家寺の和尚さんから教えて頂いたこと、気づいたことを纏めますと・・・


①通常の位牌、繰り出し位牌は浄土真宗では用いない。

②しかし愛知県(特に三河方面)と新潟の浄土真宗の門徒には、何故か繰り出し位牌がある。

③浄土真宗は位牌の代わりに小さな掛軸状の「法名軸」がある。

④繰り出し位牌の中にある板は依り代になる。


というものです。

家にあった三つの位牌は檀家寺さんが回収することになり、代わりに祖父母、父の兄、父の連名を書いた法名軸を一つ作ることになりました。


①について、浄土真宗には位牌が無いというのは、これはお盆をやらない、先祖供養という概念がないからでしょう。浄土真宗の門徒は死んだら必ず阿弥陀如来がいる極楽に行くので、この世には留まらない。帰ってくることもない。だから位牌はないということです。


④の繰り出し位牌の中に板がありますが、これが先祖の依り代になるというのはなるほどでした。寺社で分けてもらう御札的な発想です。どちらかというと神道的な発想が近いでしょうか?繰り出し位牌はそれを祀る家専用の御札、先祖神と繋がる為のものという解釈になります。
 
 
浄土真宗には無いわけですね。


位牌と繰り出し位牌、この二つを先祖をお参りする信仰の対象として観た場合、後者の方がより強いお参り対象になるでしょう。何故なら、先祖の霊力が籠った板を厨子という箱に密閉するからです。
 
 
御札に手を合わせる際も、御札を神棚に入れる場合と、御札をそのまま立てかけた場合とでは、より強くなるのは前者だと思います。神棚の扉は開けたままの方もたまにみえますが、あれは閉めた方が良いです。
 
 
浄土真宗の教えは調べると他宗とは結構考え方が違います。およそ殆どの仏教宗派の仏壇にあるであろう位牌がないのですから。
 
 
しかし、その位牌がいらない浄土真宗の中にも、愛知県(特に三河)と新潟県だけ繰り出し位牌があるというのは興味深いです。愛知の三河に多いというのは心当たりがありますが、新潟はどういう理屈なんでしょうか?その辺も調べてみると面白そうです。


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