道教は中国独自の宗教です。宗教であれば、そこには様々な神々が登場します。道教も然りです。
道教に登場する神々の中で、至高の神と言われているのが玉皇大帝(ぎょっこうたいてい)です。
日本の神仏習合のように、道教の神様もあっちの神様が、実はこっちの神様と同体というように、少々ややこしいところがあります。例えば、玉皇大帝は至高の神という位置づけですが、道教における最高神は三清という三人(?)の神様です。
元始天尊、聖宝天尊、道徳天尊の三神です。この内の道徳天孫が、老師が神格化した存在、「太上老君(たいじょうろうくん)」の別名、同じ神様という解釈だそうです。
道徳天孫=太上老君=老子です。
かと思えば、老師が神格化した太上老君が、先程の道教の至高神「玉皇大帝」と報身・応身の関係にあると言われています。報身・応身の関係とは、言葉を変えると神の本体が報身、神の本体が姿を変えて現れたのが応身という感じです。
道徳天孫=太上老君=玉皇大帝=老子です。
更に、この玉皇大帝には別名があり、三天太上道君(さんてんたいじょうどうくん)とも言います。この二神も報身・応身の関係のようです。即ち、
道徳天孫=太上老君=玉皇大帝=三天太上道君=老子
となります。姿は変われど、本質は皆同じということです。調べ始めて最初にこの辺がこんがらがった訳ですが、これおそらく、道教の成立には民間の伝承や考え方なども多数取り込まれているのが原因かと思います。これが正しい!と自信をもって言える学者はいなさそうです。先に進みましょう。
霊符には様々な種類がありますが、そのルーツを辿ると二つの霊符が基本となっているようです。
「東方結気門(とうほうけっきもん)」と「五岳真形図(ごがくしんぎょうず)」です。
この二つの霊符が出現した経緯の話が道教の神話に出てきます。このようなものです。
三天太上道君が大宇宙の元気※の動きを伺っている時、東方の元気が発動し、そこに自然と気が凝り結んで(結気)、文を成すものが現れた。この結気の文の形を三天太上道君が書写したものが「東方結気文」と云う。
三天太上道君が五岳をしっかりと立てられた後、天に飛翔し、虚空から地上を見下ろして、大きな海に大小の川、大小高低のある山岳などが蛇のように曲がりくねった様を、自らの神眼に映じるままに写したものが「混沌五岳真形図」である。
この二つが霊符の始めと云われる。
三天太上道君は「東方結気文」と「五岳真形図」を自らの住む宮殿の奥深くに封印。霊威の徳が備わり、高位の位階に至った真人にのみこれを与えた。五岳真形図には三皇内文という文字がしたためられている。これは三天太上道君が発した、神々に対する命令で、「五岳真形図」をもつ者を、一切の神々は守護するように、大神から命ぜられている。
五岳真形図を最初に授かった人物が黄帝である。黄帝は牛頭人身の怪物、蚩尤(しゆう)と戦った際、「霊宝五符真文」という勝利を約束する霊符などを授けられ、蚩尤を打ち破ったという。
・・・というものです。
この神話のように、霊符とはその起源を辿ると、元来、古神仙が天地自然の数象を写し取ったものであり、神々が人に授けたものであると云われ、霊符には神々の力が宿っていると信じられ、様々な現世利益が得られると云われています。
霊符のデザインは多岐に亘り、漢字らしきものもあれば、何と表現して良いか分からない記号や線で構成されています。その摩訶不思議な図像を見ていると、これは神から授かったものであるのであれば、なるほどという感じがします。
※元気・・・万物を生み出す根源となる気。
紅葉屋呉服店はこちらまで

参考文献 霊符全書 大宮司朗著 学研
道教に登場する神々の中で、至高の神と言われているのが玉皇大帝(ぎょっこうたいてい)です。
日本の神仏習合のように、道教の神様もあっちの神様が、実はこっちの神様と同体というように、少々ややこしいところがあります。例えば、玉皇大帝は至高の神という位置づけですが、道教における最高神は三清という三人(?)の神様です。
元始天尊、聖宝天尊、道徳天尊の三神です。この内の道徳天孫が、老師が神格化した存在、「太上老君(たいじょうろうくん)」の別名、同じ神様という解釈だそうです。
道徳天孫=太上老君=老子です。
かと思えば、老師が神格化した太上老君が、先程の道教の至高神「玉皇大帝」と報身・応身の関係にあると言われています。報身・応身の関係とは、言葉を変えると神の本体が報身、神の本体が姿を変えて現れたのが応身という感じです。
道徳天孫=太上老君=玉皇大帝=老子です。
更に、この玉皇大帝には別名があり、三天太上道君(さんてんたいじょうどうくん)とも言います。この二神も報身・応身の関係のようです。即ち、
道徳天孫=太上老君=玉皇大帝=三天太上道君=老子
となります。姿は変われど、本質は皆同じということです。調べ始めて最初にこの辺がこんがらがった訳ですが、これおそらく、道教の成立には民間の伝承や考え方なども多数取り込まれているのが原因かと思います。これが正しい!と自信をもって言える学者はいなさそうです。先に進みましょう。
霊符には様々な種類がありますが、そのルーツを辿ると二つの霊符が基本となっているようです。
「東方結気門(とうほうけっきもん)」と「五岳真形図(ごがくしんぎょうず)」です。
この二つの霊符が出現した経緯の話が道教の神話に出てきます。このようなものです。
三天太上道君が大宇宙の元気※の動きを伺っている時、東方の元気が発動し、そこに自然と気が凝り結んで(結気)、文を成すものが現れた。この結気の文の形を三天太上道君が書写したものが「東方結気文」と云う。
三天太上道君が五岳をしっかりと立てられた後、天に飛翔し、虚空から地上を見下ろして、大きな海に大小の川、大小高低のある山岳などが蛇のように曲がりくねった様を、自らの神眼に映じるままに写したものが「混沌五岳真形図」である。
この二つが霊符の始めと云われる。
三天太上道君は「東方結気文」と「五岳真形図」を自らの住む宮殿の奥深くに封印。霊威の徳が備わり、高位の位階に至った真人にのみこれを与えた。五岳真形図には三皇内文という文字がしたためられている。これは三天太上道君が発した、神々に対する命令で、「五岳真形図」をもつ者を、一切の神々は守護するように、大神から命ぜられている。
五岳真形図を最初に授かった人物が黄帝である。黄帝は牛頭人身の怪物、蚩尤(しゆう)と戦った際、「霊宝五符真文」という勝利を約束する霊符などを授けられ、蚩尤を打ち破ったという。
・・・というものです。
この神話のように、霊符とはその起源を辿ると、元来、古神仙が天地自然の数象を写し取ったものであり、神々が人に授けたものであると云われ、霊符には神々の力が宿っていると信じられ、様々な現世利益が得られると云われています。
霊符のデザインは多岐に亘り、漢字らしきものもあれば、何と表現して良いか分からない記号や線で構成されています。その摩訶不思議な図像を見ていると、これは神から授かったものであるのであれば、なるほどという感じがします。
※元気・・・万物を生み出す根源となる気。
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参考文献 霊符全書 大宮司朗著 学研
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