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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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この世とあの世

仏教世界では生きていた時の行いにより、死後どこの世界に生まれ変わるか?が決まるとされています。


そもそもですが、あの世はあるのか?ないのか?


死後の世界を信じるか信じないかで今の生き方は変わってくると思います。


私は死後の世界は存在すると思います。神仏のいる世界や、地獄の世界が仏典にあるような世界かどうかは分かりません。実際に死んでみないと誰も分かりませんが、私はあると信じています。

 
駆け足ですが、死後の世界をざっと見てみましたが、これ死後の世界という考え方は、実はそのまま現世にも当てはまるなと思いました。


ようするにこの現世に地獄も極楽も餓鬼道も修羅道も存在しているなということです。修羅道などは争いばかりですが、現実でもロシアとウクライナは殺し合いの戦争をしています。これは事情はどうあれ、武力で制圧をしかけるロシアが悪いと思いますが、現実世界でプーチンは修羅道(地獄かも)を歩いているわけです。
 
 
調べている内、江戸時代の白隠禅師(臨済宗)の興味深い話がありました。このようなものです。



白隠禅師はある時、一人の侍からこう問われた。「地獄はあるのか、ないのか」と。

その時禅師はこう答えた。

「見たところ、立派な侍のようだが、まだ地獄の有無が分からぬのか?そんなことも分からぬか?」

と罵倒した。

最初の内は無礼に耐えていた侍だったが、白隠禅師の挑発に耐え兼ね、ついに刀を抜いた。

それを見た白隠禅師、逃げ回りながら更に挑発する。

そしてついに追い込まれ、斬られそうになったその時、

「そこが地獄だ!」

と一喝した。

この一言を聞いた侍、「はっ!」と我に返り、思わずその場で平伏し、己の至らなさを悔いた。

すると白隠禅師は笑いながらこう言った。

「そこが極楽だ。」




と言うものです。地獄の描写を聞くと、絶対にこんな世界には堕ちたくない。出来れば天界とか極楽が良いと思う人が多いでしょう。そのために仏縁を求めたり、仏教を学ぶ姿勢は尊いと思いますが、今生きている世界しか分からない、知り得ないのであれば、今この瞬間が一番大切なのも事実です。何をすべきか?

 
白隠禅師はこんな道歌を遺しています。


極楽は 西にあらでも東にも 来た(北)道さがせ みな身(南)にあり


また白隠禅師はこうも述べています。


「西方十万億土の彼方にあると云われる極楽を、あちこち探しまわるが、実は他でもない自分の心の中にあるのだ。」

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白隠禅師 画像はネットより

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参考文献 仏尊のご利益功徳事典 大森義成 著 学研
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