fc2ブログ

主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
momijiyagohukuten.com

月別アーカイブ

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

0 コメント

◆地獄の鬼について調べてみた。

地獄の住人には極卒鬼という鬼の一族がいますが、その極卒鬼達のリーダーと目されているのが牛頭鬼(ごずき)、馬頭鬼(めずき)です。その名の通り頭が牛の鬼と、頭が馬の鬼です。かなり凶暴な鬼のようです。


牛頭鬼は女版の牛頭女(ごずめ)もいます。地獄の鬼なので、堕ちた亡者をいたぶるのがお仕事ですが、人の世界にもたまに現れることがあるようです。


今昔物語の17巻にこの牛頭鬼のお話がありました。


ある夜、老若二人の僧侶が、荒れ果てた古寺に泊まりました。夜半になると、化物が現れ、二人の僧侶に襲い掛かりました。辺りは暗闇です。一体何が襲って来たのか分からず堂内を逃げ回りましたが、老僧の方は捕まってしまい、引き裂かれて食べられました。


若い僧は懸命に法華経を念じつつ逃げまどい、本堂にいくつかあった仏像の一つに抱き着き震えていました。やがて化物は次の獲物をと、若い僧の方へ近づいて来ました。


しかし、どうしたことか化物は突然倒れてしまいました。


朝になり、若い僧は何が起こったのか理解しました。化物は牛頭鬼であり、身体が三つに切られていました。そして自分が抱きついていた仏像が毘沙門天だったと分かりました。
 
 
毘沙門天の鉾先には血が付いていたそうです。


毘沙門天は元々は夜叉の王なので、この恐るべき牛頭鬼でも全く歯が立たなかったということですね。この若い僧侶も危機的状況下でも恐怖に負けず、仏様を信じ、法華経を念じていたので助かったのでしょう。神仏の力を受け取るコツみたいなものが、この話に隠れているかもなと読んでいて思いました。


牛頭鬼は相手が僧侶であるにも関わらず、しかも食う目的で人間を襲うというのは、鬼は鬼でもかなり危ない鬼だというのが分かります。また牛頭鬼・馬頭鬼は人間を殺すという凶暴な面があるだけではなく、生前の行いによって地獄に直行する人間を迎えに来るというお話もあるようです。


元々日本にいた鬼ではなく、仏教伝来と共に日本に入ってきた鬼のようです。顔が馬とか牛と言うのはどういう意味があるのか。人間に殺された動物が鬼となったということか?良く分かりませんが、ギリシャ神話でも中国の神話でも、日本の古くから祀られる神の中にも顔が牛と云う存在は出てきますので、不思議な感じはします。

2363788.jpg


紅葉屋呉服店はこちらまで


参考文献 鬼 新紀元社

 
 
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント