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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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◆安珍と清姫

和歌山県の道成寺本堂の裏にある秘仏、北面十一面観音像が御開帳とのことでお参りに行きました。

道成寺1

道成寺には大きな千手観音像が三体ありますが、常時拝観できるのは二体だけです。現在本堂で祀られている奈良時代の木造千手観音像は修復された姿ですが、修復される前は今回開帳された北向千手観音像の内部から発見されました。


2016年のブログに道成寺参拝に行った時の感想がありましたが、結構長めに書いてましたね。同じことを書いても仕方ないので、再訪して前回は気付かなかったことを少々述べたいと思います。


道成寺と言えば、多くの古仏も魅力ですがやはり「安珍と清姫」の昔話が有名です。

お寺のHPより引用しますと「寺の創建から230年経った、延長6年の物語。参拝の途中、一夜の宿を求めた僧・安珍に清姫が懸想し、恋の炎を燃やし、裏切られたと知るや大蛇となって安珍を追い、最後には道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺す」というお話です。

過去ブログに纏めてあるのでご興味のある方は読んでみてください。


今回の参拝でふと思ったこと気づいたことは以下です。


①道成寺に逃げ込んだ安珍は焼き殺される訳ですが、鐘撞堂に火をつけるにはそれなりの準備がいるはず。清姫が準備をしている時、寺の僧侶は誰も止めなかった?


②安珍の塚と清姫の塚(蛇塚)が現在も残っているが、どちらも綺麗。非常に気をつかっているのが分かる。


③未だに鐘は再建されていない。


道成寺2

というものです。①ですが、絵解きによれば、安珍が逃げ込んだ道成寺で出迎えた僧侶たちは長刀をもっていたそうです。屈強な僧侶というイメージです。しかし、清姫が放火の準備、それなりに時間が掛かったと思いますが、その間何もしなかったということです。


絵解きの話を頭の中で想像しますと、騙した安珍を恨み、60キロの長距離を徒歩で追いかけるという事は、草履はズタボロでしょう。途中川も泳ぎぎったのでずぶ濡れで着物も乱れていたと思われます。そこだけで相当怖いです。
 
 
隠れていた安珍を突き止める様子は、道成寺のお坊さんも恐怖したと思います。


道成寺14
(2016年に撮影 今なら撮らない)

②の安珍塚も清姫の塚もとても綺麗でした。安珍塚の方は近付けないよう、触れないよう石で結界が設けてあります。流石に供養され大慈悲の千手観音の結界の中にありますので気持ち悪い感じはしませんが、やはり悪戯した人に何かあっても困るからか、中には入れないように、触れないようになっています。塚の回りの木もそんな感じがしました。


③そして鐘楼です。未だに再建されていません。

道成寺15
(2016年に撮影)

二代目の鐘は豊臣秀吉の命により没収されました。それから随分時間が過ぎましたが未だに再建されません。お寺の規模を見るにとても立派です。しかし、鐘楼だけは無いままです。


これは金銭的な理由と言うより、鐘を作ることで安珍や清姫が怒るのかも?と思っているのかも知れません。


安珍の塚も、清姫の塚もどちらもお寺にとっては重要な塚なので今でも大切にされているようです。これが寺ではなく神社の中に同様の物があった場合、感じ方は全然違うと思います。


※紅葉屋はこちらまで




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