弁才天の版画の時代物を掛軸にしました。(詳しくはこちらまで)
元々、丸まった紙の状態でしたので、じっくりと観察したことはなかったですが、今回掛軸に表装して床に掛けれたことで図案の隅々までしっかりと観ることが出来ました。

宇賀弁才天です。弁才天のお姿は、主に腕が二本に琵琶を持つ姿と、腕が八本に頭上に鳥居がある姿があります。他にも腕が二本で剣や宝珠を持った姿もあります。
この版画の場合、腕が八本、頭上に鳥居と宇賀神がいらっしゃるので宇賀弁才天という御姿になります。

鳥居の奥に蛇がとぐろを巻いて鎮座していますが、こちらが宇賀神です。宇賀神とは神道で言う宇迦之御魂之神(うかのみたまのかみ)、我々庶民にとって馴染み深いのはお稲荷さんですね。
宇賀弁才天とは密教の弁才天と、神道の宇迦之御魂之神(宇賀神:稲荷神)が集合した天部です。

手には様々な持物があります。魔を退ける武器や、願ったものが出てくると言う如意宝珠、願いを必ず叶えるという意味もある弓矢(的中する)、仏様の知恵が詰まった宝の蔵を開ける為の鍵などがあります。
改めてこの版画をじっくり観ると、かなり線の細い緻密な仕事がしてあると分かります。

弁才天の周りには様々な神々がいらっしゃいます。この上の画像は弁才天の身の回りのお世話をしているという15柱の子供の姿をした神々、十五童子です。

弁才天のむかって左側には毘沙門天が鎮座します。
右側には大黒天です。

弁才天も大黒天も毘沙門天も庶民に馴染のある仏様です。現世利益の強い天部の皆さまです。このお三方は一つに習合すると三面大黒天になります。
そういえば毘沙門天も大黒天も弁才天も七福神の中に入っていますね。

弁才天の頭上には大きな龍がいました。弁才天は水の神でもあります。また龍神の中の龍神とも言えます。
日本には古くから、「日本五大弁天」という言葉があります。
・広島県の厳島神社
・奈良県の天河弁才天
・神奈川県の江の島弁才天
・静岡県の浅間神社
・滋賀県の竹生島弁才天
です。富士山の麓にある浅間神社の総本宮は、現在は木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を祀っている神社ですが、かつては弁才天を祀っていたようです。
この版画は竹生島弁才天を表します。

竹生島は琵琶湖の中にある島です。滋賀県の古い密教寺院は圧倒的に天台宗が多いですが、琵琶湖の宝厳寺は真言宗のお寺です。
この版画は竹生島弁才天が現れ出でた様子を表しているようです。弁天様のお姿の下は、琵琶湖の水面を表しているのでしょう。
しかし細かく彫られている版画です。湖の波の中を観察していたら龍がいました。

顔は確認出来ませんが、明らかに龍です。
また、弁才天が座るその下も龍になっていました。頭が九つある九頭竜です。

仏像のほとんどは蓮の花の上に立っていたり、座っていたりするのが普通です。弁才天の仏像も蓮の花に坐っていることが多いと思いますが、竹生島の弁才天は龍の上に坐っています。これはカッコイイですね。
当店では祖母の縁ありて、三河に伝わる弁天箱を販売しておりますが、その箱を確実に使うにはやはり弁天様を信じないとうまく箱は動いてくれません。
また、弁天様が一体どういう神様なのかもよく知らないと、お参りの仕方も誤った仕方をしてしまうこともあるでしょう。
この版画をじっくり観察することは、弁天様を理解する上で役立つこともありそうです。
今後は弁天様のお祭りをする際は、この掛軸を出すことにしました。
核家族化が進み、「家」というものについての考え方も日本人は大きく変わってしまったように思います。
神社の神様も、お寺の仏様も、皆さん誰にでも必ず存在するご先祖神も同じかと思いますが、「家の中の祭りごと」を忘れてしまった人ばかりになってしまいました。祭りごととは、自分が信じる神仏や御先祖に感謝し、一緒になって楽しむものです。
弁天箱と向き合うことは、実は家の中で行うことが出来る祭ごとであり、弁天様との遊びでもあります。
遊びとは義務でやるものではなく、やってみるととても楽しいものです。商いを通じてそんな日本の忘れられた文化も発信出来たらなと思います。
※紅葉屋呉服店はこちらまで
元々、丸まった紙の状態でしたので、じっくりと観察したことはなかったですが、今回掛軸に表装して床に掛けれたことで図案の隅々までしっかりと観ることが出来ました。

宇賀弁才天です。弁才天のお姿は、主に腕が二本に琵琶を持つ姿と、腕が八本に頭上に鳥居がある姿があります。他にも腕が二本で剣や宝珠を持った姿もあります。
この版画の場合、腕が八本、頭上に鳥居と宇賀神がいらっしゃるので宇賀弁才天という御姿になります。

鳥居の奥に蛇がとぐろを巻いて鎮座していますが、こちらが宇賀神です。宇賀神とは神道で言う宇迦之御魂之神(うかのみたまのかみ)、我々庶民にとって馴染み深いのはお稲荷さんですね。
宇賀弁才天とは密教の弁才天と、神道の宇迦之御魂之神(宇賀神:稲荷神)が集合した天部です。

手には様々な持物があります。魔を退ける武器や、願ったものが出てくると言う如意宝珠、願いを必ず叶えるという意味もある弓矢(的中する)、仏様の知恵が詰まった宝の蔵を開ける為の鍵などがあります。
改めてこの版画をじっくり観ると、かなり線の細い緻密な仕事がしてあると分かります。

弁才天の周りには様々な神々がいらっしゃいます。この上の画像は弁才天の身の回りのお世話をしているという15柱の子供の姿をした神々、十五童子です。

弁才天のむかって左側には毘沙門天が鎮座します。
右側には大黒天です。

弁才天も大黒天も毘沙門天も庶民に馴染のある仏様です。現世利益の強い天部の皆さまです。このお三方は一つに習合すると三面大黒天になります。
そういえば毘沙門天も大黒天も弁才天も七福神の中に入っていますね。

弁才天の頭上には大きな龍がいました。弁才天は水の神でもあります。また龍神の中の龍神とも言えます。
日本には古くから、「日本五大弁天」という言葉があります。
・広島県の厳島神社
・奈良県の天河弁才天
・神奈川県の江の島弁才天
・静岡県の浅間神社
・滋賀県の竹生島弁才天
です。富士山の麓にある浅間神社の総本宮は、現在は木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を祀っている神社ですが、かつては弁才天を祀っていたようです。
この版画は竹生島弁才天を表します。

竹生島は琵琶湖の中にある島です。滋賀県の古い密教寺院は圧倒的に天台宗が多いですが、琵琶湖の宝厳寺は真言宗のお寺です。
この版画は竹生島弁才天が現れ出でた様子を表しているようです。弁天様のお姿の下は、琵琶湖の水面を表しているのでしょう。
しかし細かく彫られている版画です。湖の波の中を観察していたら龍がいました。

顔は確認出来ませんが、明らかに龍です。
また、弁才天が座るその下も龍になっていました。頭が九つある九頭竜です。

仏像のほとんどは蓮の花の上に立っていたり、座っていたりするのが普通です。弁才天の仏像も蓮の花に坐っていることが多いと思いますが、竹生島の弁才天は龍の上に坐っています。これはカッコイイですね。
当店では祖母の縁ありて、三河に伝わる弁天箱を販売しておりますが、その箱を確実に使うにはやはり弁天様を信じないとうまく箱は動いてくれません。
また、弁天様が一体どういう神様なのかもよく知らないと、お参りの仕方も誤った仕方をしてしまうこともあるでしょう。
この版画をじっくり観察することは、弁天様を理解する上で役立つこともありそうです。
今後は弁天様のお祭りをする際は、この掛軸を出すことにしました。
核家族化が進み、「家」というものについての考え方も日本人は大きく変わってしまったように思います。
神社の神様も、お寺の仏様も、皆さん誰にでも必ず存在するご先祖神も同じかと思いますが、「家の中の祭りごと」を忘れてしまった人ばかりになってしまいました。祭りごととは、自分が信じる神仏や御先祖に感謝し、一緒になって楽しむものです。
弁天箱と向き合うことは、実は家の中で行うことが出来る祭ごとであり、弁天様との遊びでもあります。
遊びとは義務でやるものではなく、やってみるととても楽しいものです。商いを通じてそんな日本の忘れられた文化も発信出来たらなと思います。
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