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2021-02-08

◆弁才天像の修理に至るまでの経緯   ~弁天様との御縁の話 その6~

前回その5はこちら

修理に出すにあたり、何かの役に立つかなと記録をとることにしました。発遣供養をした後に撮影です。

弁才天の厨子 修理前①

修理に出す前の厨子。修理を終えた今見ると、かなり酷い状態でした。厚めに塗ってある漆はあちこち剥がれています。


厨子の上部、丸みのある所は真っ白に光が反射してますが、これは埃ですね。
 
 
中の弁才天像とほぼ同時代、当初から仏像と一緒にあったと思われる厨子ですので、どういう直しをするか悩みましたが、仏師さんと相談し、漆を全部はいで塗りなおすことにしました。


完成したのがこちらの画像です。

弁才天の厨子 修理後①


もう新品同然になりました。蝶番などの金具類は新品に見えますが、当時のものを磨いてもらいました。ピカピカです。

弁才天の厨子 修理前④

扉の内側もボロボロです。向かって左側です。これが修理後は・・・

弁才天の厨子 修理後②

こうなりました。

弁才天の厨子 修理前⑤

向かって右側も酷い状態です、金箔もしわしわ。剥がれもあります。


弁才天の厨子 修理後③

ピカピカですね。扉の上部も一部欠損しており、閉めても中が見えるような状態でしたがこれも修理してもらいました。


職人の技術は凄いなと思いました。宇賀弁才天像と縁を頂いてから、この写真を撮る時でも気づきませんでしたが、「修理が終わったよ」と電話をもらった時、「厨子についてた輪っかはどうしよう?」と言われました。
 
 
「あれ、輪っかなんかついてたっけ?」
 
 
「取りに来た時に説明しますよ」
 
 
という事で、説明を聞いたら、こんな所にあったのかという場所にありました。
 
 
弁才天の厨子 修理前②

写真はないかなとよく見たら、ありましたね。画像黄色の〇の部分ですね。厨子に施してありました。
 

「この厨子についていた輪っかだけど、どうします?元通りにするなら今から穴を開けて取り付けますよ」


漆を塗る時は、一度金属部品を全部外してから行うので、こういうことになったのでしょう。
 
 
「厨子の上に輪っかを施すというのは、結構あること?あんまり見た記憶がないけど・・・」
 
 
「少ないけど、修理をやってるとたまにありますよ。小さい厨子だし、おそらく携帯用、よく持ち運んでいた弁天様じゃないかな?」


と言う見解でした。
 
 
なるほどなと思いました。言われるまで疑問をもつことすら無かったですが、確かに寺院で一か所にずっと置かれて祀られているのであれば、これほどボロボロにはならないでしょう。厨子の上下が酷く剥がれているのは何かの荷物と一緒に紐二本でぐるぐるとよく縛っていたのかも・・・。落ちないようにきつく縛ったので、扉の上部が欠けてしまったのでしょう。
 
 
寺を持たぬ修験者か僧侶か。あるいは他所で拝むことを生業とする行者さんの念持仏だったのかもしれません。一般の人がお守りで持ち歩いていたとは思えないし・・・。


しばし考えましたが、輪っかは取り付けるのを止めることにしました。
 
 
つけないことで、持ち運びする厨子ではなく、一か所で祀る為の厨子になるかなと思ったからです。


次回は弁才天像についてご紹介します。お読み頂きありがとうございました。

 
 
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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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