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2020-12-02

◆熊野本宮大社 その3

熊野総本宮06


熊野本宮大社の歴史を遡っていくと、一番最初の神名は「熊野巫大神(くまのにいますおおかみ)」という神様が出てきます。


神社のHPから抜粋しますと・・・


熊野坐大神の御鎮座の年代は文献に明白ではありませんが、神武東征以前には既に御鎮座になったと云われており、社殿は崇神天皇65年(紀元前33年)に創建されたと『皇年代略記』や『神社縁起』に記されています。奈良朝の頃より仏教を取り入れ、平安朝以後は仏化により「熊野権現」と称し、神々に仏名を配するようになりました。熊野本宮大社は上・中・下社の三社から成るため、熊野三所権現と呼ばれています。また、十二殿に御祭神が鎮座ますことから、熊野十二社権現とも仰がれています。


・・・とありました。


いつごろから祀られていたのかは定かではないようですが、神武天皇がこの地に来た時には既にあったようです。紀元前の歴史がある神社ですが、奈良時代から平安時代にかけて仏教色が強くなったようです。
 
 
熊野巫大神が素戔嗚尊だったかは微妙な感じがしますが、奈良の終わり頃や平安始め頃には素戔嗚尊や牛頭天王になっていたのでは?と思えます。


日本に残る最古の牛頭天王像は平安初期(9世紀)のもので、密教の色が強い姿の尊像です。それから考えると平安初期以降に牛頭天王として熊野に祀られていたと思われます。

 
熊野曼荼羅-crop
(熊野観心十界曼荼羅)

日本の山は異界、霊山が殆どです。奈良時代から始まった神仏習合の流れは中世で大きく昇華します。上の画像のように昔からの霊山は極楽浄土になぞられ、日本各地に霊場が出来ました。
 
 
熊野のような阿弥陀の浄土、弥勒の浄土、観音の補陀落浄土、大日如来の密厳浄土などなどです。


日本各地の神社は、もう殆ど仏教は外されてしまいました。熊野本宮大社に行くと見た目には仏教色は見当たりませんが、神社の資料やHPを見ると仏様のことが記されています。熊野は神仏習合の歴史が1200年以上あり、仏ありきの神社であるので、流石にそれまで外してしまうと神社自体の意味が分からなくなるからでしょう。


帰り際、神社にいくつかある案内看板を見ている内、興味深いものを見つけました。


熊野総本宮03


八咫烏の由来についてです。

熊野総本宮04

初めて聞いた言葉、「熊野三党」。


熊野三党とは、紀伊国熊野地方に強い勢力を持っていた豪族達のことです。榎本氏、宇井氏、鈴木氏で、この三党が熊野大社の神職を代々受け継ぎ、八咫烏を家紋としました。八咫烏の三本足にこの三党はなぞられている訳です。
 
 
宇井という名字の人は知り合いでいませんが、榎本さんとか鈴木さんは馴染みがあります。この名字を辿って行くと熊野に行き着くとは知りませんでした。鈴木と言う姓は日本でもダントツに多い姓ですが、鈴も木も神社っぽいなと思っていましたが、熊野所縁だった訳です。
 
 
鈴木、榎本、宇井という姓の方は、素戔嗚尊、即ち牛頭天王様と所縁のある姓とも言えます。他にも神様由来の名字も調べれば多そうですね。
 
 
今回の熊野の参拝を経て、牛頭天王様は実は大昔の庶民にとっては一番馴染みが深い神様だったということが良く分かりました。牛頭天王様所縁の神社をざっと調べてみますと・・・


・八坂神社 全国で約2300社 (3000社とも)

・津島神社 全国で約3000社

・熊野神社 全国で約3000社 

・社の数は不明なれど、各地にある天王社、須賀神社


・・・となります。嘗ては牛頭天王様を祀っていた神社を全部数えたデータはないでしょうが、少なくとも全国には1万社はあったと思われます。


天照大神を祀る伊勢神宮も、昔は密教寺院が境内にありました。


伊勢周辺の家々で正月に飾る注連縄は「蘇民将来」です。通常、一月くらいで外す注連縄も一年間かけっぱなしと聞きました。それは病気除けを兼ねているからです。


牛頭天王様は密教の仏として取り込まれました。そして伊勢神宮で分けてもらう注連縄は蘇民将来です。そうなると、明治時代以前の伊勢神宮にも牛頭天王様が祀られていた可能性はあるでしょう。
 
 
今も昔も、人間の一番の問題は病気です。その病気を統べる牛頭天王様を祀ることで、「私はあなた様にはかないません」とか「私は蘇民の子孫です」と意思表明することで病気から逃れたかったのでしょう。


その気持ちは良く分かります。昔も今も病気は本当に怖いものです。コロナ禍の今だからこそ、日本各地の素戔嗚尊を祀る神社で、牛頭天王様が復活すればいいのになと思う今日この頃です。
 
 

おしまい。


※紅葉屋はこちらまで

参考文献 修験道の本 学研

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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
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