fc2ブログ

主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
momijiyagohukuten.com

月別アーカイブ

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

0 コメント

◆注意すべき神社   その②

前回の続きです。


③六所神社(七所神社とか八所神社とか〇〇所神社)

④境内に古墳、塚と思われるものが残っている神社。

⑤神明社と呼ばれる神社



今回は上記三つについて考えてみたいと思います。


③と⑤は関連している箇所がありますので、まずは④から。


境内に古墳があるような超古い神社。あるいは史跡認定はされていませんが塚のようなものがある神社です。古墳の上に建っている神社も含みます。

猪子石神社②
(画像は名古屋市にある大石神社:塚っぽい神社です)


古墳も塚も昔の人の墓です。まずその部分だけを取っても、参拝時には敬意を払わねばならないでしょう。


神社境内に古墳がある場合、何故この地に神社(寺)が建立されたのか?を考えるのも大事です。

 
もともと古墳のある地は霊地なので信仰の対象になっていた。だから後に神社が出来た。
猪子石神社①
(こちらも名古屋市内にある猪子石神社の看板。同じく塚っぽい。大石神社と対)
 

あるいは、古墳や古墳に生えていた木などを不用意に傷つけた。傷つけた途端、祟りがおきまくり、慌てて神を祭った。つまり荒ぶる神の封じの為により強い神を持ってきたということがありえると思います。
 
 
前者と後者の割合で言えば、後者の方が多いと思います。


名古屋城の街づくりを見ても、徳川家が古墳に気を使っていたことが良く分かります。


例えば、清州越しで寺を沢山引っ越しさせ、名古屋城から見た南側に寺町をつくりました。現在の大須観音界隈です。商店街を歩くと古墳が残っていますが、その古墳の周りには寺が集中しています。また古墳の上に神社がある所もあります。この辺りは熱田系の豪族の埋葬地だったと思うので、仏教や強い神様の力で封じをしたのでしょう。


名古屋城築城には石垣が足りず、名古屋市内の古墳を徳川家が壊した形跡があります。しかし、どうも気を使っていたようで、古墳を壊す役目は加藤清正など元豊臣家の武将にやらせています。特に名古屋市北区は古墳を壊した形跡が多く、それを恐れたのか江戸時代には残った古墳の上に徳川家が神社が建てたりしています。御祭神は白山菊理姫命、御利益は仲裁です。
 
 
このように、神社に古墳や塚がある所は、過去に何かあったことが多いと思いますので、やはり参拝時にはより厳粛な気持ちでお参りした方が良いでしょう。
 
 
次に③です。⑤とも少し似ています。
 
 
六所神社(ろくしょじんじゃ)とは、六柱の神々を祀っている神社ということです。私が知っている例ですと、七所神社、八所神社などがあります。多い例ですと二十七所社と言うのも見つけたことがあります。
 
 
何故注意した方が良い神社でこの「〇所神社」を上げたかと言うと、一体何を祀っているのか分からないことが多いからです。
 
 
〇所神社の中には御祭神が特定されている神社もあります。例えば愛知県岡崎市にある六所神社です。
 
 
こういう来歴のはっきりした神社は安心できますが、この〇所神社と言うのは元々の神様が変わらない神社もあれば、道路が広くなった、人がその地域に住まなくなったなどの理由で一か所に集められて出来ることもあります。
 
 
また神様のお名前が遡っても不明の場合、祟り神を集めた神社の可能性もあったりします。
 
 
仏教の仏様と違い、神社の神様は神様同士の相性というのもあるので、例えば滅ぼした側の神様と滅ぼされた側の神様を一緒に知らずに祀ってしまったり、古代神話に於いて敵対関係の間柄の神々を、人の都合で知らずに一緒に祀ってしまうと、それだけで場が悪くなりそうです。
  
  
〇所神社、特に祀られている御祀神が多いにも関わらず、何を祀っているか分からない場合は、やはり注意して敬意を持ってお参りした方が良いでしょう。分からない故の怖さのある神社です。
 
 
最後に⑤についてです。
 
 
神明社と言うと、御祀神は天照大神です。社名を見れば「あっ天照大神だ」と分かるぐらい有名ですが、この神明社、特に地方にある神明社は要注意です。
 
 
なぜなら、明治時代以降に御祀神が入れ替えられているケースがあるからです。

 
明治の政策で国家宗教が神道に決まった際、一番大切な神社が伊勢神宮となりました。その際、特に地方に多かったと思いますが、その地域にしかいない特殊な神様、地元の豪族や有力者を祀っているような神社などは、天照大神に入れ替わったことがあるからです。
 
 
こうなると、本当の御祀神は忘れられている可能性があるので、神様からすれば機嫌が良くないと言えます。そんな神社であれば、やはり礼節を守ってお参りすべきです。(まぁ、神社自体、どこへいってもそういう気持ちは大事ですが)
 
 
神明社に限らず、記紀神話に登場する有名な神様へ御祀神が変わった他の神社もあります。関東圏で言えば明神社です。関東圏の明神社と呼ばれる社は、明治以前は殆ど平将門公を祀っていたそうです。しかし、天皇陛下が東京に住むようになると、天皇陛下の御先祖に逆らったのが平将門公になるので、「逆賊を祀るとは何事か!」という理由で全部他の神様へ入れ替わってしまいました。将門公がちょっと気の毒です。
 
 
神明社に話を戻しますが、これも一概に全部が該当する訳ではありません。当然最初から記紀神話の神々を祀っているケースもあります。こればかりはその神社の歴史を調べたり、境内の末社をくまなく見て、聞いたことが無い神様がいるかいないかを観る必要があります。



以上、私が考えるお参りする際に注意すべき神社をお話しましたが、もう一つ忘れていたパターンの神社がありました。それは、


⑥かつて人間だったけど、何らかの理由で神として祀られるようになった神社
 
 
です。次回は⑥について考えてみます。





スポンサーサイト



コメント

非公開コメント