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2020-03-28

◆鬼のお話  第8回  昔話の桃太郎

前回の続きです。長くなってしまいましたが、今回でとりあえず桃太郎と温羅のお話はおしまいです。


最後に家にあった桃太郎の絵のお話と、昔話と吉備の国について考えてみたい。


まずは変わった桃太郎の画がありましたのでご紹介します。


この絵、昔父が入院していた時、同部屋にいた手彫りの刺青師のAさんという方に頂いたもの。刺青のデザイン画です。画いたのはAさんですが、聞けば元の絵は古いものであったそう。


桃太郎-crop

注目して頂きたいのが、桃太郎が踏みつけているバラバラに折れた刀だ。


画像の折れた刀を踏みつける桃太郎の絵は、こんな昔話からデザインされた。


それは「桃太郎と鬼が刀を交換した。桃太郎は弱い刀を、鬼は強い刀を出した」というものだ。


これから一戦交えるもの同士がわざわざ武器を交換するとは思えない。この背景には、まず桃太郎を迎え入れた鬼と、巧妙な計略で鬼に近づいた桃太郎の図式が浮かんでくる。


桃太郎の昔話には様々なパターンがあるが、明治より前の桃太郎は鬼ノ城に攻め入る動悸が、ただ「宝を取りにいく」事で、「鬼が悪さをするので成敗に」という件が追加されたのは明治以後、学校教育に使われるようになってからだった。また、犬、猿、雉も古い昔話はそれぞれきちんとした名前があった。


こんな絵があるのも、昔から温羅は鬼ではないと考えていた人がいたのだろう。


吉備という国は現在でも謎の多い国らしい。


3世紀から4世紀にかけてヤマトには出雲や吉備、北陸、東海の勢力が集まり、更に北九州がやってきて王国が誕生した。その中で、最も強い影響を及ぼしたのが吉備であった。


前方後円墳(権力者の象徴)の原型が、すでに弥生時代後期の吉備で誕生していた可能性が高いことや、ヤマトに集まった土器の中で、吉備の土器だけが生活臭の無い、祭祀に用いる特殊なものだった。他の国よりも進んだ考え方があったのだ。


他よりも進んだ考え方、文化、技術があった故に攻撃されたのではと思う。


昔、吉備津神社へ参拝に行ったことがある。


大変立派な神社だ。


その売店で魔除けの土鈴を売っていたので購入した。


IMG_3348.jpg


この土鈴、今も受け継がれている釜鳴神事を行う建物、温羅の首が埋まっていると云う、鉄の窯の下にある灰を用いて焼成したものだ。


人を魔物から守る存在は、吉備津彦命ではなく討ち滅ぼされた鬼なのである。何とも地元の人達の叫びを感じる土鈴だ。


鬼というのは怖い存在で、実際そういう鬼も多いとは思うが、温羅のように地元の人達に愛されている鬼もいる。


温羅という鬼が非道な悪鬼だったのか、それとも偉大な英雄が鬼とされたのか。


真相は分かりませんが、個人的には温羅は本来なら偉大な神として祀られるべき英雄だったのでは?と思います。


桃太郎のお話はこれにて終わりです。




参考文献  神社仏閣に隠された古代史の謎   関 祐二 著   徳間書店


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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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