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2020-01-10

◆日本のしきたり・第1回  正月について  

私の本業は着物屋です。紅葉屋呉服店という店で商いをしております。


寺や神社が好きでこのブログをはじめましたが、もう一つブログを持っています。


そちらは主に仕事に関するものです。


最近、仕事、趣味共に日本に関することと言うことで、日本の文化・しきたり、本業の着物等に関することをブログを用いて考えてみようかということになりました。自分自身、もっと日本に古くからあるものを知りたくなったのです。


まずは日本の、当たり前に受け入れている「しきたり」について考察していくことになりました。これをご覧の皆様にはお付き合いのほどよろしくお願い致します。


さて、初回の一発目は、一年の始まり、お正月についてです。


これも調べてみると、知っているようで知らないことが多々ありました。そもそもお正月とは何なのか?


結論から言えば、お正月とは各家庭にて行う歳神様を迎えるための政だ。


お正月の準備は12月13日~12月28日までにすると良く、13日は歳神様を迎える「正月事始め」と言う。


また、正月事始めに行うこととして「松迎」が行われた。これは門松などの正月飾りに用いる松を山に取りに行くことだ。


今日では、家の前に門松を立てる光景は殆ど見なくなったが、家の前に立てる門松とは歳神様を呼ぶための依り代という意味がある。


kadomatsu_gouka.png

門松と言って頭に浮かぶのが上の画像のような三本の竹を中心とした形だが、この形が出来る前は松の枝を玄関の柱などに括り付けるという質素なものだったようだ。


お正月で迎えるという神様、歳神様はおそらく陰陽道や易学などに登場する福の神、歳徳神のことだと思う。毎年変わる恵方に鎮座する水の性質の女神である。恵方巻というおまじないが有名だが、寿司を黙って丸かじりするだけで、完全にこの神様が忘れられてしまっている。供えて祭るという肝心なものが欠落してしまった恵方巻の神事は、既に意味が全くない。(過去ブログに纏めてあります)


歳徳神は、自身の子供達である恐るべき祟り神「八王子神」から人間を守ると云われる。京都の神泉苑が有名だが、歳徳神様を祭るこの社は、社ごと360度ぐるぐると回転させることが出来るという。これは各方位に対応する陰陽道的なお祭りの仕方があるのだろう。


各家庭で祭る神棚についても調べてみたが、正月用の歳神様を祭る為の神棚も嘗てはあった。


特徴的なのは、高い場所の板などに置くタイプではなく、天井から吊り下げるタイプのもので、神棚自体が回転式になっているものだった。京都の神泉苑の社と同じ発想である。


お正月に迎える歳神という神様を調べると、まず陰陽道の神様で間違いないと思うが、実際の現場(各家庭)では様々な考え方が習合したようである。


つまり、本来陰陽道の神である歳徳神だが、地域によっては陰陽道の神ではなく先祖神であったり、山の神であったりする場合がある。むしろそっちのイメージのが強いようだ。


民俗学的な考え方だと、人は亡くなるとその魂は山に帰る。山(海とかも)は異界であり、神そのものであったり神が降りる巨大な依り代でもある。山に帰った魂達はやがて習合し、一つの先祖神になると云われる。地域で祭られる氏神様の元祖だ。


古代からある豪族の墓、古墳も死して山になろうという発想があったのかもしれない。


日本の宗教観は様々なものを一つに纏めているので、お正月に迎えるという歳徳神だけを調べてみても、様々な解釈が出来る。どれが正解だろうと決めるのはあまり意味がないように思う。お正月の招く歳神様とは、陰陽道の福の神であり先祖神であり、氏神であり、自身が信仰する神様でもあるからだ。


そんな神様達を各家に招くため、依り代となる門松を家の前に立てるのである。


・・・こんな感じで日本の文化、しきたりを考察していきたいと思います。





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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
momijiyagohukuten.com

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