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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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◆真禅院 後編

神と仏が習合した際、本地垂迹説という考え方が出来た。本地とは神の本体、垂迹とは現れるというような意だ。つまり神道の〇〇神は仏教の△△仏が変化して現れたという考え方のこと。

真禅院6

真禅院の重要文化財になっている建物の一つが、こちらの本地堂。江戸時代からある本地堂という名の建物は全国に二つあるだけで、もう一つは日光にある。大変貴重な建物だ。この時は大規模な修理ということで囲いに覆われていた。見た感じ修理は終盤のようだった。このブログを発信した頃にはもう完成していると思う。


本地堂の本尊は阿弥陀如来、つまり、明治以前の南宮大社の御祭神は、阿弥陀如来(本地)が救済のために金山彦大神の姿になって現れたと言うことになる。


正面に立って顔を上げたら鬼と目が合った。

真禅院9

鬼=怖いという印象があるが、仏教においては鬼は御法善神という仏を護る神様になっていることがある。この鬼面も御法善神であろう。

この本地堂の修理に伴い、堂内の仏像(秘仏を省く)が垂井ピアセンター歴史民俗資料館にて公開された。

真禅院図録4

本尊、阿弥陀如来(御前立)の背後に四天王、そして脇侍に夜叉像を配置してある。

通常、阿弥陀如来を三尊形式で祀る場合、阿弥陀如来の隣は観世音菩薩と勢至菩薩と決まっているが、夜叉像が両脇侍になっているのは初めて見た。

資料館で購入した図録によれば、夜叉を従えた阿弥陀如来像と言うのは全国でもこの真禅院だけらしい。仏像をじっと見ていたら妙なものを見つけた。

真禅院図録5

上の画像は向かって左側の夜叉像の台座部分。赤丸の個所に何かの神様?が座っている。服装からすると菩薩や如来ではなさそう。破損もある為特定できない。

真禅院図録6

あれ?と思い、右側の夜叉像の台座を見ると、やはり何かの仏像がある。そもそもお寺にお参りに行っても夜叉像自体を目にすることは大変少ない。仏像の本を見ても滅多に出てこない。台座に小さな仏像を配置するというのも記憶にない。これも神仏習合の考え方から生まれた夜叉像、阿弥陀三尊像だからなのか。

真禅院図録7

他にも気になったのは、四天王の内、多聞天。四天王像は足元に鬼神を踏んでいることが多い。この作例もそうであるが、多聞天だけ台座部分に小さな仏像が設置してあった。

真禅院図録8

姿からして如来像だ。阿弥陀如来か釈迦如来か。台座に小さな如来像がある多聞天は多分ここだけだと思う。後から置いたのか、最初からあったのか。

江戸期の再興像かと思うが、当初からこうなのか、どういう意味があるのか考えるほど気になってくる。

真禅院7

真禅院には他にもお堂がある。

真禅院15

手前の社は弁才天。奥は忘れました。

観音様を祀るお堂もある。

真禅院10

秘仏の十一面観音像が祀られている。

真禅院は天台宗のお寺だが、天台宗はおみくじ発祥の宗派だ。平安時代の僧侶、元三大師がその創始者と言われている。この観音堂には元山大師(如意輪観音)も祭られていて、300円でおみくじが引けるようになっているが、面白いのがおみくじを引く時の所作が解説してあること。

メモし忘れたのが残念だったが、確か本尊をお参り(真言を唱える)し、続けて如意輪観音をお参り(真言)、その後おみくじの棒が入ったケースを頭上に掲げて・・・という段取りをしてから棒を引く。番号が書いてあるのでその番号のおみくじをもらうと言うもの。

解説通りに真言を唱えた後、私がしたのは住所と名前を述べ「今の私に必要な言葉を下さい。よろしくお願いします」と言葉を述べた後におみくじを引いた。

結果、これが後に起こる出来事に必要なアドバイスだった。まさに自分だけの言葉を頂けた。手順通り行えば誰でも高確率で必要な言葉が頂けるおみくじです。興味のある方はぜひどうぞ。


南宮大社は立派な神社ですが、すぐ裏にある真禅院も素晴らしいお寺なので、嘗ての神仏習合の時代を思いながら、こちらも一緒にお参りすることをお勧めします。また行きたいお寺ですね。







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