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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
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◆犬神様について考える ~第6回 鉄と糸~

岡崎市の外れ、隣の安城市に近い所に創立年代不詳の神社がある。


酒人神社だ。

酒人神社2



酒人神社1


社歴によれば、6世紀頃に様々な技術と共に渡来した「阿知使王」の子孫、酒人親王を祭っている神社だ。他に食物の神とあるので保食神も祭られているのかもしれない。国内で初めて清酒を醸造したのが酒人親王という伝承があるらしい。


この社歴から気になる言葉を挙げてみると・・・


①鍛冶の技術をもった神様

②織物にも長けていた神様

③朝廷の支配が全国規模になった時に、この地に移り住んだ神様



という三つになった。


酒人神社3


糟目犬頭神社と同じ岡崎市であるし、豊川市にある犬頭神社の伝承、「絹糸の技術」があることから、やはりこの酒人神社も他の犬の字がつく神社と関係があると睨んだ。


第二回のブログで、気になった個所に「糟目」という言葉を選んだ。糟目犬頭神社の「糟目(かすめ)」であるが、この糟という字を調べてみると、このような意味があるようだ。


[名]

1 液体をこしたあとに残るもの。液体を入れた容器の底に沈殿したりしたもの。おり。

2 よい所、必要な部分を取り去ったあとの残り。「食べ―」

3 役に立たないつまらないもの。最も下等なもの。くず。「人間の―」

4 (糟・粕)酒のもろみを醸 (かも) し、酒汁をこしたあとに残るもの。酒かす。



酒粕という意味もあるが、糟という文字からは酒粕ではないように思う。1と4の意味を省くと、残された意味は酷いものとなる。糟目犬頭神社の御祭神、犬頭大明神を罵倒する言葉が糟目なのだ。


そして「目」という文字は、この神が製鉄の技術をもった神であるということを意味しているように思う。

 
古代の製鉄を生業としている神々に共通しているのが、「目」という文字が入っていたり、そんな製鉄の神をまつる神社の周辺の民話には、「片目」「片足」「片葉」といったキーワードが残るものが多い。


何故かと言うと、鉄を溶かす溶鉱炉の、鉄の溶け具合を見る時に片目で見たり、溶鉱炉に空気を送る際、大型のふいご(蹈鞴:たたら)を踏み込むが、この時に片足で踏むことで、片方の目や足を痛めてしまうのである。職業病というやつだ。


犬頭大明神は何者かによって差別的な名前を付けられたのである。


酒人神社の社歴を読むに、この酒人神社の神様は他所から来たとある。


元々のこの地域にいた神様が、侵略した新勢力と戦争になり、負けてしまったのでは?と思える。


次回は三河地方に残る「犬」の神社の纏めの回とします。





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