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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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◆比叡山西塔 御開帳

家族で比叡山延暦寺にお参りに出かけた。

延暦寺へは過去数度出かけているが、今回の目的は西塔と呼ばれる地域にあるお堂だ。

33年ぶりに釈迦堂の秘仏、秘仏釈迦如来が御開帳になったのだ。

延暦寺西塔①

延暦寺の境内は広い。

山道を車で上っていくが、今回は霧が濃く出ていて運転にも神経を使った。

小雨が降り、気温も低い中であったが参拝客は結構いた。

延暦寺西塔②

お寺の堂内、本尊を祭ってある場所を内陣というが、その内陣を一般公開(入れる)するのは初らしい。

延暦寺のホームページによれば、



①現在の建物は、比叡山焼き討ちの後、文禄4年(1595)に豊臣秀吉が園城寺(三井寺)にあった弥勒堂を移築されたもの。

②元は貞和3年(1347)に建てられた仏閣であり、比叡山内では最も古い建造物。

③回峰行の祖・相応和尚一千百年御遠忌にあたり、三十三年ぶりに一般公開となる。

④御本尊の木像釈迦如来立像は内陣正面の須弥壇に奉安されています。

⑤堂内では釈迦如来を守護するように東西南北に四天王像が立ち並ぶ。

⑥内陣には四つのお社(おやしろ)(文殊菩薩・元三大師・山王七社・八所明神)があり、それらのお扉も初めて開く。




とのこと。本尊の釈迦如来像のお姿をお参りできる機会も貴重だが、内陣に入れること(寺によっては、御開帳でも内陣までは行けないこともある)と、内陣にあるお社も初公開というのが更に貴重である。


内陣のお社の文殊菩薩は仏教の仏、元三大師は平安時代の比叡山のお坊様(おみくじの元祖)、山王七社や八所明神は比叡山を守る神々である。


以前ブログに名古屋城の魔除けについて書いたが、家康公のことを調べると山王七社や八所明神についても触れなければならないなと思いつつ、それはまたの機会に考えたい。


延暦寺西塔③


しばらく進むと常行堂と呼ばれる建物が現れる。

しかし、霧のせいか、はたまた御開帳ということで全山の神々が集っているからか、なんとも神秘的な雰囲気だった。


どこかで見た水墨画を思い出す。


延暦寺西塔⑤

釈迦堂が見えた。

延暦寺西塔④

もっと写真を撮ればよかったと悔やむが、その雰囲気に飲み込まれていたと思う。


延暦寺の根本中堂や、釈迦堂は変わった造りになっている。普通のお寺は人がお参りする場所(外陣)から座って本尊を見ると、目線より高い位置にある。内陣の方が高くなっているのだ。

しかし延暦寺の場合、内陣を見ると分かるが、外陣の床より、内陣の床のが遥かに低くなっている。何メートルという位違う。


そして、本尊を祭る須弥壇が櫓のように建物中央に鎮座する。


本尊釈迦如来像の位置は、外陣でお参りする人と同じ目線になっているのだ。詳しく聞いたことはないが、おそらく同じ目線で仏様に接することで、「己の中の仏性に気付きなさい」ということなのだろう。仏はあなたの中にいるということだ。


どちらが先かは分からないが、神道の鏡も同じ意味がある。


釈迦堂の堂内は神と仏が同時に祀られる場所だ。神仏習合の教えが色濃く残っている。


須弥壇の四方には東西南北を守護する四天王が祀られている。薄暗い中を歩きながらお参りし、この四天王が目に入ると思わず硬直する。確かに仏を守り、人間に喝をいれる存在だと再認識する。四天王を怖いと思ったのは初めてかもしれない。


私見だが、お寺と神社では感じ方が違う。


この日は仏の温かさと神の厳しさを両方感じた不思議な体験だった。目には見えないが明らかに神々が集結している感じがした。


本尊の釈迦如来はあまり大きくなく、正面からお参り出来る位置からは距離があるのでハッキリは言えないが平安末期から鎌倉時代くらいだろうか。内陣須弥壇の裏側に、お前立と思われる釈迦如来像があったがそれを見ると鎌倉時代の様式だった。


参拝客の年配の女性で仏像に詳しい方だと思うが、最澄自刻の像と言われるけどあれは鎌倉時代では?と話していたのが耳に入ったが、美術品として観ればそうかもしれないが、信仰の対象として観ればそんなことはどうでもいい。仏像から感じるもの、内陣の神秘的な雰囲気あれは紛れもない本物だからだ。


帰り道、行きでは気付かなかった弁天様にお参り出来て良かったです。12月10日まで御開帳です。これをお読みの皆様に、良きご縁がありますように。


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