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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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◆名古屋城と魔除けについて考える 第8回

◎「田」の字の謎 パート2

田の字から連想するもの。それは稲、米だろう。


古代の豪族にとって、自分達の勢力を維持する為に絶対必要なものが二つあった。


一つは米、もう一つが鉄である。


米は安定的な食糧、生命線であるし、銅を上回る強度を持つ鉄製の武具は、戦にはなくてはならないものだからだ。


そして日本にはこの二つ、稲(農業神)と鉄(鍛冶神)、両方の性質を持つ、大変強い戦いの神がいる。


八幡神だ。八幡神は皇室の御先祖にも連なる神様で、別名「応神天皇」とも云う。日本では稲荷神の次に多く祀られていると言われ、全国には4万社あると云われる。およそ全神社の3分の1に当たる。主に八幡社と呼ばれる神社だ。


歴代の天皇で「神」の字を持つ天皇は3名。神武天皇、崇神天皇、そして八幡神こと応神天皇である。


応神天皇は第15代天皇で5世紀前後頃の天皇だ。母親の神功皇后も神の字を持つ人物で、現在の八幡社には応神天皇と神功皇后も一緒に祀られている。


多くの史家が歴史時代の始まりであるとし、神功皇后、応神天皇期をもって日本の国家を確立したとされている。親子揃って強い神様なのだ。


元寇の時、モンゴルから攻めてきた軍団を神風で蹴散らせたのも八幡神だという言い伝えや、武家の世になると源頼朝も鶴岡八幡宮を建立していることから、何時からか戦闘の神として祀られていたのだと思う。


そんな強い応神天皇は別名「誉田別尊(ホンダワケノミコト)」ともいう。田の字が入っているのだ。


私はあの田の字は応神天皇という意味もあるのかもと考えた。

応神天皇像

仮にそうだとすると、八幡神の力を込めたものを地面に埋めるというのは、何かを抑えるという意味も出て来る。


田の字のかわらけを埋めるという所作を仏教ではない呪いだとすると、そこには供養するという発想はない。


つまり、かわらけを埋める理由は、おそらく何かの封じだ。非業な死を遂げた誰かか、あるいは地の底にいるとした土地神か。


自分達の住む住居か、生活に直結する大切な場所の土地神(又は怨霊神)を、より強い力で押さえつける、封じる為に用いられたのが田の字なのである。


あるいは、命を繋げる米そのものを神の恵み、神の力が宿るものとしそれを生む田そのものを神としていたのかもしれない。


そしてこの「田」という形そのものにも意味があるような気がしてきた。


それは田という文字に指を置いて、その漢字を構成する線の何処から辿っても、何処に行っても終わりにならない、堂々巡り、出れないという意味もあるのでは?ということだ。


天海僧正が行った名古屋の街造り。ブロック毎に区分けされ、どの路地から見ても正面になる、そして念入りに中央に寺社を置くというのは、この田の字の理屈が背景にあるのでは?と思えるのである。



※田の字は中央が重なる十字。十字は洋の東西を問わず、最も古い呪い的なシンボルマーク。卍とか。また日本では辻(交差点)には魔物が出ると信じられ、そこには石仏などが祀られていることもある。


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