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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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◆神社のお参りについて その4 (氷上姉子神社 前編)

萱津神社を紹介しようとすると、必然的に日本武尊の話になり、そうなるとこの神社の話に繋がることになる。

それは名古屋市緑区にある古社、「氷上姉子神社(ひかみあねごじんじゃ)」だ。

御祭神は宮簀媛命(みやずひめのみこと)と云う。あの日本武尊の奥さまを祭る神社だ。

この神社、名古屋で最も有名な神社、熱田神宮の元宮だ。熱田神宮より古い神社である。

元宮とは、元々その場所にあった神社の事。氷上姉子神社は元々の熱田神宮と言える。

氷上姉子神社④

26歳を過ぎたあたりから父と一緒に神社のイロハを学び始め、関心をもつようになったが、個人的に大きなご縁を頂いたのがこの神社だった。この神社で不思議な体験をしたのだ。


初めて行ったのが今から15年も前の事か。

この神社を知ったのは仕事の帰り道で、カーナビの画面に社名が表示されたことだった。

「氷上姉子神社・・・氷の名前がつく神社か」

と名前に強くひかれ、日を改めてお参りに行くことになった。


その日、何か用事を済ませた後に神社へと向かった。16時頃に神社についた。


広い境内の半分位は住宅地になっており、社が建つ森に足を踏み入れてからどこか尋常ではない雰囲気を感じていた。空気が張り詰めているというのか、ビリビリしたものを肌で感じていた。


(ここは・・・何ときつい神社か。きちんと礼をもってお参りしないと怒られるな。これは・・・)


この頃は基本的な参拝の作法が分かりかけて来た頃だったので、鳥居の端を潜り、手と口を清め、塩を持っていたので軽く体に塩で祓ってから本殿の前に立った。


そして参拝に来た要件を言葉で述べた。何故そうしたのか今考えても分からないが、神様に向かって話しかけたのだ。


「名古屋で長年商売をして来ましたが、尾張の大神様でもある熱田の神様の、この元宮に来たことは一度もありませんでした。本日は、今まで名古屋に住まわせて頂いたお礼と、父の執筆の関係で、どうしてもこちらの神社のお写真を2、3枚頂きたいです。どうぞお許し下さいませ。」


一言一句合っている訳ではなないが、こんなような言葉を述べた。後で知ったがこれを神道では「言挙(ことあげ)」と言う。


お参りが終わった後、写真を撮った。2、3枚と言ったので最大3枚までしか撮れないなと気付き、少し後悔したが、自分でそう言葉にしたので、撮影は3枚までと決めた。


一枚は本殿の写真。


2枚目は本殿の横にあった立て看板。

氷上姉子神社①

そして最後に何を撮ろうかと辺りを見渡すと、鳥居の近くに社歴が彫ってある石があったのでそれを撮ろうとカメラを向けた。

氷上姉子神社②

この時、異変が起こった。デジカメのモニターがぶれるのである。と同時に頭が重くなりクラクラして来た。何かが出てくると思った。


恐る恐るカメラを構え、「お写真を頂きます」と言葉を発してカメラのスイッチを押した。


その後は頭がずっと重かったが、境内の全ての社をお参りしようと見つけた社は全て立ち止まり手を合わせた。


帰り際に気付いたが、境内の一角に小さな山があり、その入り口に「奥宮」とあったので、山を登った。

氷上姉子神社③

数分で登れるような山だが、一番上に開けた場所があり、この氷上姉子神社で最も神聖な奥宮についた。


この時点で、気配と言うか何というか、体にのしかかる様な重みは最大に達していた。


こんな経験は初めてだったので、怒られているのかと思いつつ、何とかお参りを終えたので、第一鳥居を目指して歩いた。口では観音様の真言を唱えながら・・・。


その鳥居を潜って神社の境内から出た途端、重みがベリベリと剥がれるように一気に体が楽になった。


帰宅後、早速撮影した三枚の写真を印刷してみたが、3枚目の社歴が彫られた石の写真には、やはりと言うか御神体(?)が写っていた。それは真っ白い光の片目だった。カメラ目線でしっかりとこちらを見詰めていたのである。(ブログでの公開は控えます)


片目で写るということは、こちらへの分かり易いメッセージだと直ぐに気付いた。


それは宮簀媛命達、つまり古代の尾張氏は蹈鞴(たたら)、製鉄集団だということだ。古代の豪族の力の象徴は鉄と稲である。銅剣を凌ぐ強力な鉄剣、そして安定的な食料を約束する米は大きな豪族には無くてはならないものだからだ。


蹈鞴の職業病とも言えるのが、目と足の病である。何故かと言うと、鉄を溶かすため、風を送るふいごを利き足で踏んだり、鉄の溶け具合を見る為溶鉱炉を片目で覗くからだ。

故に片方の目や足を痛めるのである。片目、片足の昔話は全国に残っている。妖怪で言うと一つ目小僧や唐傘お化けなどは有名だが、彼らは零落した古代の蹈鞴神なのだ。


このことから、氷上姉子神社の神様の得意分野が見えて来る。鉄(金属)関係の仕事の方や、米を生業とする人達にはとても良い神様だと言える。


氷上姉子神社の「氷」は昔はこの字を使わず「火」の文字が使われていたという。「火上姉子神社」だ。これが氷になったのは、よくこの周辺で火事が起こったり、神社も火災で燃えたことがあったことを踏まえて、「氷」と言う字を充てたら火事がおさまったと云う。


本来の文字を考えても製鉄を連想させる一族の神様だと言える。


しかし、氷上姉子神社の御祭神、宮簀媛命の最も得意とする分野、御利益は他にあると知ったのは、この日から暫く経ってたまたま訪れた、あま市の萱津神社(前回のブログ)へお参りに行った後のことだった。


萱津神社には宮簀媛命に纏わる悲しい伝説が残っていたのである。
 
 
次回「氷姉子神社 後編」です。




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