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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

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禅定寺

京都の南山城にある古刹、禅定寺に行って来た。
京都と行っても二キロほど行けば滋賀県の大津。県境は山だ。

このお寺は、山の麓にある何とも風情のある古寺である。

禅定寺1


禅定寺8

こういう風景の中にあるお寺は良い。どこかホッとする。

禅定寺2

仁王門を潜ると五輪塔があった。

禅定寺4

町の指定文化財になっている五輪塔は今から約700年近く前のもの。

次に目に入ったのは辨財天社だった。

禅定寺5

小さな社だったが存在感があった。まるで本堂を守るかのように鎮座している。

このお寺には平安時代の仏像が数体ある。
どれも素晴らしいが、御本尊の11面観音が凄い。
像高286センチで京都では最大級の11面観音だ。

このお寺、仏像を拝観することも大きな魅力だが、
他にも面白いものがある。

禅定寺3

本堂の屋根だ。
禅定寺7

このお寺は再訪であったが、前回来た時は気付かなかったものが、
屋根に所々ある白い物である。

気になったので聞いてみたら、アワビの貝殻とのこと。
何でもこの辺りの風習で魔除けと言う意味があるらしい。

昔読んだ本の中に、東北のとある地方にある鬼の面や、
台所に祀る竈神(かまどがみ)の面の目の部分にアワビの貝殻を使うことがあるのを
思い出した。目玉というより目全体を貝殻で作るのだ。

そうすると、この屋根に取り付ける貝殻は「鬼の目」という意味が出て来る。
何故、屋根に鬼の目を取りつけるのかと考えた時、真っ先に浮かんだのは鬼瓦だ。

瓦の屋根に付ける場合は鬼瓦。「こけら葺き」や「ひわだ葺き」の屋根には
鬼板というものが付けられる。ただどちらも作成し取り付けるとなると手間もお金も
かかることなので、民間ではより手軽な貝殻になったのではないのだろうか。

では何故鬼や竈神の目にアワビの貝殻を使うのか。

思うに、理由は二つ。一つはその形。アワビを横にすると目の様な形になる。
もう一つはギラギラ光るパール質の光は、異様さを際立たせるし、目玉の無い目は、
何処を見ているか分からない、つまり何処にいても見られているという事になりはしないか。

つけ加えるなら火の竈神に水を表す貝を使う事で火と水の関係になるのを
狙ったのかもしれない。

禅定寺の屋根に付けた貝殻は、鬼瓦や鬼板と思って間違いないように思える。

今回の発見で、鬼は寺を守る守護神的な意味合いもあるのだと知りました。

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