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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

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広小路の妖怪 『汁粉婆』 最終回

~続き

妖怪『汁粉婆』の正体を考え、探っていく内に一つの結論が出た。

汁粉婆の正体、それは広小路界隈に住んでいる人々が、本来なら
崇め祀らねばならぬ、氏神なのである。
それが忘れられ、放置されたことにより妖怪化してしまったのだ。

名古屋の古代史を調べるにあたり、避けては通れないのが熱田神宮と『尾張族』だ。

熱田神宮と尾張族についてはまだまだ勉強不足なので、ここで詳しく述べる
ことは適わないが、尾張族は現在の愛知県小牧市の方から来ていたのではという説がある。

名古屋市内に散らばる伝説、民間の昔話、町名を拾っていくと、
熱田神宮の神々も元は踏鞴神であったようだ。

尾張族はその昔、現在の地に何処かから鉄を求めて移住してきたのだろう。
その折、元々いた豪族と争いになり尾張族が勝利を収めた。

負けた方は歴史の表舞台から姿を消したのである。

図式としては、

○元々いた名古屋の地を治めていた豪族が、他所から来た豪族と戦争になる。
               
○争いになり、元々いた方が滅ぼされる。
               
○亡くなった方は、手厚く葬られたと予測出来るが、長い長い歴史の中でやがて忘れられる。
               
○ひょっとすると、この亡くなった人物が祀られていた神社等の施設、あるいは古墳等が壊されているかも…。
               
○非業の死を遂げ、祀られた人物は長い時間をかけ『神』となるが、忘れられ放置された時『祟り神』となる。
               
○元々が地元の氏神(になるべき存在)故、祟る時は自らに所縁のある地元民に祟る。


このようにもみじは考えた。汁粉婆の本来の神名は不明である。

自分には、そのような器も能力もないので不可能だが、
歴史上の人物で言えば、空海や最澄といった能力のある偉大な人物が、
汁粉婆に素晴らしい新たな名前を付け、きっちり祀るようになると、
途轍もない福の神になるだろう。

このような、古い昔話は全国に沢山存在する。
いつも思うが、調べれば調べる程、今に生きる私達は数多くの犠牲の上に
成り立っているのだなぁと思います。

おしまい。


※忘れてはならないのは、勝った側が歴史を繋げたからこそ今の自分もいると云うことです。



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