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主に寺社参拝を通しての気付・思ったことのお話

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紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
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ぽちの御転玉 その2

■ぽちの御転玉

突然来るは二人の男          とつぜんくるはふたりのおとこ
一人は肥えて一人は眼鏡        ひとりはこえてひとりはめがね
冷たい眼差し殺気に満ちて       つめたいまなざしさっきにみちて
前足二つ付け根に皮紐         まえあしふたつつけねにかわひも
首枷口枷八重に十重          くびかせくちかせやえにとえ
身動き成らぬ封じの枷に        みうごきならぬふうじのかせに
引き摺り出されて檻の中        ひきずりだされておりのなか
立ち去る車の音残し          たちさるくるまのおとのこし
犬(ぽち)の姿は消え失せる      ぽちのすがたはきえうせる
役所の人が紙差し出せば        やくしょのひとがかみさしだせば
爾の父は擦る擦ると          なんじのちちはするすると
姓は加藤と名はさむろふと       せいはかとうとなはさむろふと
書きて渡すや家のなか         かきてわたすやいえのなか
殺すと決めたは爾の父ぞ        ころすときめたはなんじのちちぞ
犬にあるかや罪咎が          ぽちにあるかやつみとがが
犬を屠りて安堵する          ぽちをほふりてあんどする
父の心ぞ何とする           ちちのこころぞなんとする
犬は死すとも其の魂魄は        ぽちはしすともそのこんぱくは
弐魂に分かれて御転玉         ふたつにわかれておてんぎょく
壱魂の魂はこんこんと         ひとつのこんはこんこんと
天上遥か上の上            てんじょうはるかうえのうえ
上がりて光の魂となり         あがりてひかりのこんとなり
此の地に残るは魄と成る        このちにのこるははくとなる
首輪に犬小屋阿瑠魅の盌も       くびわにいぬごやあるみのわんも
共に付喪神と成り果てて        ともにつくもとなりはてて
犬の走りし草の地の          いぬのはしりしくさのちの
小石や砂の一粒だにも         こいしやすなのひとつぶだにも
枯木の梢や草葉の先も         かれきやこずえのくさばのさきも
屠られし犬の悲しき魂         ほふられしいぬのかなしきたましい
声ぞ爾に聞かせると          こえぞなんじにきかせると
皆一斉に語り出す           みないっせいにかたりだす
・・・・・・・・・・・・。


続く~


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