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2021-02-07

◆弁才天像の修理に至るまでの経緯   ~弁天様との御縁の話 その5~

前回その4はこちら

修理を終えた今の状態から思えば、何故10年近くも修理せずにそのままだったのかな?と考えてみました。


家の祭りごとは父が主になっていたので、私が前面に出ることはなかったことが、まず要因の一つでしょうか。個人的にも余裕がなかったのもあります。
 
 
昨年、「修理しよう」と突然思ったのは、いろんな意味で準備が整ったからだと今では理解しています。

 
父が一線を引き、体力的にも弱くなってきたこと。家の祭り事を自分が中心に行うことになったこと。そして密教系の古い仏像について、主に専門書を何冊も読み、少しずつですが分かってきたからだと思います。

 
弁才天像は推定江戸の中期頃はありそうです。一体誰が何の為に拝んだのか、どんなお坊様が開眼したのかは一切分かりません。(故に古い仏像を家に招くにはよく考えることが必要かと。特に天部像)その場合、弁才天は主に密教で祀られる仏様ですので、きちんと祀るにはやはり密教系のお坊様に一度拝んで頂いた方が良いことが分かってきました。


新しい仏像を鑑賞目的の美術品ではなく信仰の対象として祀る場合、しかるべき僧侶に開眼(仏様の魂を入れる)してもらわないといけません。また、既に開眼を済ませている古い像を修理するとなると、今度は発遣(はっけん:魂を抜く)してもらってから、仏師のもとへ修理に出さねばならないのです。

 
また、そんな理屈が分かっても、それではどんなお坊様に発遣・開眼の供養をお願いするかも大事です。お坊様からすれば、頼まれれば誰でもそういうことをするかと言えば、多分そんなことはないと思います。やはりご縁を大切にるのでは?
 
 
うちの近所には密教寺院はないので、そんなお願いを聞いてくれるお坊様も探さねばならないのです。密教系の仏像の発遣・開眼となるとうちの檀家寺(浄土真宗)では、話をしても断られるのは聞くまでもないことでした。
 
 
そんなこんなで、全ての条件が整ったのが去年でした。


発遣をお願いしたのは愛知県から遠く離れたとある密教寺院のA和尚でした。今思えばよくご縁が繋がったなと思いますが、こちらの和尚さんと出会ったことで、弁天箱の不明だった点を教えて頂きました。A和尚に弁天箱を観て頂いたところ、一連の所作や箱の中身から、密教の考え方がかなり取り込まれていることが分かりました。
 
 
また、家で祀っている観音様をお坊さんの目線で観て頂きましたが、こちらも見落としていたことを教えて頂きました。余談ですが、身内の家に祀ってあった新しい不道明王像を開眼することになった際も、A和尚にやって頂きました。
 
 
昨年のいつだったか、弁才天像の修理をやるかと思い立った時、発遣供養を誰にしてもらおうかと悩みました。真っ先にA和尚の顔が浮かびましたが、何しろ遠方の方なので気軽に声をかける訳にもいかず、当初は名古屋市内にどこか無いかと当たりましたが、諦めました。
 

縁の無いお寺にいきなり話せる案件でもないですし、弁天様の顔を見ていたら、何となくA和尚にお経を上げてもらって欲しそうな感じがしましたのでA和尚に頼むことにしました。
 
 
ただ、流石に電話やSNSで気軽に声を掛けるのはどうかと思い、ご多用のところアポをとり、こちらからお参りがてらお邪魔させて頂きました。話の途中で弁天様の発遣供養の話をしたら、快く引き受けて下さいました。(内心ちょっとまずいかなと思ってました)
 
 
発遣供養の日は、もうお任せしました。和尚さんのご都合の良い日が弁天様の望む日だろうということで丸投げしました。
 
 
その日は珍しく雨の日でした。弁天様は水の神なので、ああいい日になったなと思いました。A和尚も「弁天様に相応しい日になりましたね」とおっしゃってました。(車での移動は大変だったと思います。ありがとうございます)
 
 
生まれて初めて見る発遣供養でした。聞いたことのない仏様の真言もたくさんありました。
 
 
弁才天像の発遣ですが、私のイメージですと弁天様に弁天像から出て頂いて、一度弁天様の世界に帰って頂く感じでしょうか。
 

こうしてA和尚の御尽力もありまして、無事宇賀弁天像は修理に出せることになりました。
 
 
もし、発遣供養もなしに修理に出していたら、怒られていたかもしれません。修理を出したタイミングは、弁天様からしたら「ようやく準備できたなぁ」と思われていたかも・・・。
 
江の島弁財天社
※画像は江の島弁才天



 
ここまでお読み頂きありがとうございました。次回に続きます。

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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
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