2021-02-05
◆弁才天像の修理に至るまでの経緯 ~弁天様との御縁の話 その3~
※前々回その1はこちら
※前回その2はこちら
家でまつることになった宇賀弁才天像
後で知ることになりますが、在家で生の入った天部像※を祀るというのは中々ハードルが高いことです。お坊様によっては天部像は在家で祀ってはならないという話もあります。しかもそれが古い仏像なら尚更です。弁才天をお参りしたいという気持ちがあるならお札で十分であると。
以後、自分なりに弁才天に纏わる文献を読みあさったり、各地の弁才天の参拝に出かけることで、また人を介して学ぶ切っ掛けを頂いたりして、何故そう言われるのか段々と分かってきました。
ただ、この時はそんなことは知りもしませんでした。
元々厨子付きの小ぶりな弁才天像でしたが、その厨子がボロボロだったこと、それと何らかの神意を受け取ったからか、父は家に余っていた少し大き目の空の厨子の中に弁才天をその逗子ごと納めました。聞けばこの方が喜ぶからだとのこと。
箱を使うには、箱が動いてくれるには弁才天の信仰心が欠かせない・・・。そう結論付けた矢先に出会った宇賀弁才天像。もともと先祖より神仏を祀る家で育ち、手を合わせることが普通になっていた私でしたが、ここで改めて信仰するとはどういうことか?を考えさせられることになりました。
弁天様を毎日お参りするようになってから、箱が動きかけました。マニュアル通りの所作から少しずつ前に進むようになりました。詳細は今回のブログテーマと関係がないので省きますが、結果なかなか結婚したくとも出来なかった私ですが、今までの苦労はなんだったのか?というような感じで妻と出会い結婚しました。(弁天箱を用い、弁天様に結婚できるように願掛けしたということです)
出会った日の名前を聞いた瞬間の驚きは今でも忘れません。弁才天に所縁の深い「宇賀神」の文字を生まれながらに名付けられた人だったからです。
結婚してから2年ほど経ったある日、父に激しく叱責される出来事がありました。弁天箱に纏わる大きなミスを私がしていたのです。この時、「自分が誤った箱の覚え方をしたり、正しい使い方を知らないままだと、それをお客様に発信すると、世の中に良くない種をばら撒くな」という事を思い知らされました。
そして改めて信仰するとはどういうことか?を考えさせられました。
普通に生活していてまず聞かれることはないですが、もし私が誰かに「あなたは信仰しているものはありますか?」と聞かれれば、「私は観世音菩薩や稲荷神、天神様、弁天様を信仰してます」と答えます。
答えますが、では「信仰とは何ですか?」と聞かれると困るなと気づいたのです。新しく招いた弁天様に向き合った時、弁才天を信仰するとはどういうことか?また、そもそも先祖から祀る神仏を信仰するとはどういうことか?どういうつもりで今までお参りしていたのかを良い年になって考えさせられることにもなりました。
自分は一体何を観ていたのか?
この何を以て信仰するという自分なりの答えは、何年か経って結論が出ましたが、この時はまだ分かりませんでした。
箱を正しく使い、正しく知らなければ、それを発信する自分としては場合によっては悪い種を世間にばら撒くことになります。
箱の使い方を教えてくれたのは父なので、師匠は父ということになりますが、そもそもあの不思議な箱「十種神宝の箱」は祖母の地元では密教の弁才天と習合し、弁天箱となりました。そう、弁天様の信仰ありきの箱なのです。
弁才天をよくお参りしたり、祀ることも大切でしょうが、それよりももっと自分の身近に、自分の中に弁天様を置かねばならないのでは?という結論になりました。世の中に弁天箱の縁繋ぎ、橋渡し役をすることに、どうも気付けばなってしまったようなので、それはもう重々注意せねばならないことなのです。
「どうする?ここで引くか?それとも行くか?行くならば・・・」
自分の師でもある父は、稲荷神と話したり稲荷の言葉を文字に起こすという「お筆先」という才能をもっております。簡単に言えば霊能の力です。
そんな特異な才能を産まれながらに持つ父と違い、私は凡人です。その凡人が父のように弁天箱を使いこなし、御縁のあった人に教えることが果たして可能なのか?
その弁天様との橋渡し役を続けるのであれば、覚悟を決めねばならないと気付きました。自分が脱線しないよう、きちんと正しく弁天様の箱を使えるようになるよう、弁天様に見張ってもらうしかない。という事は、弁天様の門下生として入門するしかないのでは?・・・という結論になったのです。
長くなってきたので次回に続く。最後までお読み頂きありがとうございました。

天部・・・ざっくり言いますと、仏教世界では上から如来、菩薩、明王、天部という位に分かれます。弁才天とか吉祥天のように名前に天がついたり、龍神とか鬼子母神という神がつく仏を天部とか諸天善神とか言います。(違ってたらごめんなさい)
紅葉屋呉服店はこちらまで
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家でまつることになった宇賀弁才天像
後で知ることになりますが、在家で生の入った天部像※を祀るというのは中々ハードルが高いことです。お坊様によっては天部像は在家で祀ってはならないという話もあります。しかもそれが古い仏像なら尚更です。弁才天をお参りしたいという気持ちがあるならお札で十分であると。
以後、自分なりに弁才天に纏わる文献を読みあさったり、各地の弁才天の参拝に出かけることで、また人を介して学ぶ切っ掛けを頂いたりして、何故そう言われるのか段々と分かってきました。
ただ、この時はそんなことは知りもしませんでした。
元々厨子付きの小ぶりな弁才天像でしたが、その厨子がボロボロだったこと、それと何らかの神意を受け取ったからか、父は家に余っていた少し大き目の空の厨子の中に弁才天をその逗子ごと納めました。聞けばこの方が喜ぶからだとのこと。
箱を使うには、箱が動いてくれるには弁才天の信仰心が欠かせない・・・。そう結論付けた矢先に出会った宇賀弁才天像。もともと先祖より神仏を祀る家で育ち、手を合わせることが普通になっていた私でしたが、ここで改めて信仰するとはどういうことか?を考えさせられることになりました。
弁天様を毎日お参りするようになってから、箱が動きかけました。マニュアル通りの所作から少しずつ前に進むようになりました。詳細は今回のブログテーマと関係がないので省きますが、結果なかなか結婚したくとも出来なかった私ですが、今までの苦労はなんだったのか?というような感じで妻と出会い結婚しました。(弁天箱を用い、弁天様に結婚できるように願掛けしたということです)
出会った日の名前を聞いた瞬間の驚きは今でも忘れません。弁才天に所縁の深い「宇賀神」の文字を生まれながらに名付けられた人だったからです。
結婚してから2年ほど経ったある日、父に激しく叱責される出来事がありました。弁天箱に纏わる大きなミスを私がしていたのです。この時、「自分が誤った箱の覚え方をしたり、正しい使い方を知らないままだと、それをお客様に発信すると、世の中に良くない種をばら撒くな」という事を思い知らされました。
そして改めて信仰するとはどういうことか?を考えさせられました。
普通に生活していてまず聞かれることはないですが、もし私が誰かに「あなたは信仰しているものはありますか?」と聞かれれば、「私は観世音菩薩や稲荷神、天神様、弁天様を信仰してます」と答えます。
答えますが、では「信仰とは何ですか?」と聞かれると困るなと気づいたのです。新しく招いた弁天様に向き合った時、弁才天を信仰するとはどういうことか?また、そもそも先祖から祀る神仏を信仰するとはどういうことか?どういうつもりで今までお参りしていたのかを良い年になって考えさせられることにもなりました。
自分は一体何を観ていたのか?
この何を以て信仰するという自分なりの答えは、何年か経って結論が出ましたが、この時はまだ分かりませんでした。
箱を正しく使い、正しく知らなければ、それを発信する自分としては場合によっては悪い種を世間にばら撒くことになります。
箱の使い方を教えてくれたのは父なので、師匠は父ということになりますが、そもそもあの不思議な箱「十種神宝の箱」は祖母の地元では密教の弁才天と習合し、弁天箱となりました。そう、弁天様の信仰ありきの箱なのです。
弁才天をよくお参りしたり、祀ることも大切でしょうが、それよりももっと自分の身近に、自分の中に弁天様を置かねばならないのでは?という結論になりました。世の中に弁天箱の縁繋ぎ、橋渡し役をすることに、どうも気付けばなってしまったようなので、それはもう重々注意せねばならないことなのです。
「どうする?ここで引くか?それとも行くか?行くならば・・・」
自分の師でもある父は、稲荷神と話したり稲荷の言葉を文字に起こすという「お筆先」という才能をもっております。簡単に言えば霊能の力です。
そんな特異な才能を産まれながらに持つ父と違い、私は凡人です。その凡人が父のように弁天箱を使いこなし、御縁のあった人に教えることが果たして可能なのか?
その弁天様との橋渡し役を続けるのであれば、覚悟を決めねばならないと気付きました。自分が脱線しないよう、きちんと正しく弁天様の箱を使えるようになるよう、弁天様に見張ってもらうしかない。という事は、弁天様の門下生として入門するしかないのでは?・・・という結論になったのです。
長くなってきたので次回に続く。最後までお読み頂きありがとうございました。

天部・・・ざっくり言いますと、仏教世界では上から如来、菩薩、明王、天部という位に分かれます。弁才天とか吉祥天のように名前に天がついたり、龍神とか鬼子母神という神がつく仏を天部とか諸天善神とか言います。(違ってたらごめんなさい)
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