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2018-01-24

◆犬神様を考える 第3回  ~大蛇と犬の昔話~

糟目犬頭神社、犬尾神社に関連する昔話、「大蛇と犬」に着目してみた。

それはこのような話である。




◎「大蛇と犬」


天正年間(1573~92)のこと。

領主の宇津左衛門五郎忠茂(以下殿様)が愛犬を連れて狩りに出かけた。

山中に入った所、邪気に当てられ急に眠気に襲われる。

近くの大樹で横になっていたが、突然愛犬が耳元で吠えた。

気分よく寝ていたのを邪魔されたと怒った殿様は、刀を抜くと愛犬の首を切り落としてしまった。

岡崎市 犬頭神社7

勢いよく飛ばされた犬の首は、殿様の頭上に舞い上がり、樹の上に殿様を飲み込もうとしていた大蛇の喉元に食らいついた。

岡崎市 犬頭神社6

驚いた大蛇は地上に落下した所、殿様に斬られて絶命した。

自分を守ろうとした愛犬を、斬り殺してしまった殿様は悔い、愛犬の忠義に心を打たれた。

そして二か所に弔った。

それが糟目犬頭神社と犬尾神社であると云う。




という昔話である。

この愛犬とは白い犬であったらしい。昔話で不思議な力を持っている犬の話はいくつかあるが、白い犬が多いように思う。白い犬には霊力があるのだ。


この殿様はどうも実在した人物のようだ。


「糟目」という地域は現在の上和田町のことで、かつてはこの地に上和田城があり、その城主が宇津左衛門五郎忠茂であったようだ。


最初に彦火火出見尊を祀っていた糟目犬頭神社と犬尾神社。この両社は推定奈良時代に建立されたものだ。しかし、昔話では天正年間に殿様が建てたとある。


これはつまり、最初にあった彦火火出見尊を祀る神社に、数百年後の天正年間に殿様が犬の霊を合祀したとすれば説明がつく。


しかし、ここで疑問なのがなぜ彦火火出見尊に因んだ社名にならず、犬が社名になったかと言うことだ。


これはこの二つの神社が「犬ありき、犬が主でなければならない」という意味があるように思う。


大蛇と犬の昔話。


犬の忠義に驚き、殿様のしでかした事に怒りを感じる話だが、これ長い歴史の間に口伝されていく中で、話が変わっていったように感じた。


この大蛇と犬の話の疑問点はいくつか残る。


まず、このようなパターンの昔話は岡崎市だけではなかった。同じような話は名古屋にもある。他の県にもあるようだ。


そしてこの話の最大の疑問は、何故忠義を尽くした愛犬の亡骸を一か所にせず、弔う神社を二か所にしたか?ということだ。


社名から察するに、犬の体をあえて2か所に分けて弔ったと解釈できるのだ。(頭と尾)


次回はこの昔話をもう少し追及したいと思います。




※画像は昔、糟目犬頭神社の氏子の方に、見せてもらった掛軸。

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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
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