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2010-07-26

紅葉の話 その8

~続き

「紅葉狩」の話を勝った側と負けた側から観たことによって、
なんとなくだが、話の筋が解ってきた。

物語の内容はともかく、未だ気になる点があるのでそれを調べてみることにする。
それは物語に度々登場する「大六天魔王」についてだ。

■大六天魔王について考える。

またの名を自在天。大六天魔王として信仰していた人物には、
あの織田信長がいた。信長は自らを大六天魔王と名乗っていたとも云う。

調べると驚異的な話がごろごろ出て来た。シヴァ神ともルドラ神とも云われ、
共通しているのはどちらも破壊神である。

インドに残る釈迦の一代記には、菩提樹で悟りを開いた釈迦を徹底的に邪魔していた。
瞑想する釈迦の前に様々な誘惑を見せるも効果は無く、最後は自ら武器を持って斬りかかる。
しかし、その武器は釈迦に触れる寸前で蓮の花に変化する。
これには流石の大六天魔王も諦めたと云う。

また、悟りを得た釈迦が入滅(亡くなる)際、多くの弟子達、動物達、そして天上の神仏達が
最後を看取ったと云うが、※1大六天魔王とその妃のみが「釈迦入滅何するものぞ!」とその場に出席しなかった。

後でそれを知った※2降三世明王(ごうざんぜみょうおう)は激怒し、
妃共々踏み殺してしまったという話もあった。(後に十一面観音の慈悲の力で蘇った)

また仏教の世界観には※3六道(りくどう)という考えかたがある。
その中の頂上に位置するのが天界(帝釈天、吉祥天、四天王などの神々がいる世界)だが、
天界も幾つかの世界で成り立っている。その最上位に住むのが大六天魔王という驚きの話もあった

様々な解釈が出来る大六天魔王だが、もみじ的には、仏教に取り入れられた善神の一面が「自在天」。
仏教を憎み、徹底的に破壊尽くす魔王という一面が「大六天魔王」ということなのかと思った。

これを日本の神道で言うなれば、神社に祀られる「有難い神様」と、
「祀られない祟り神」が表裏一体であることに似ている気がする。

今まで様々な寺に参拝に行ったが、大六天魔王を祀っているのは観たことが無い。
また同神でもある自在天も、滅多に御目にかかれない。たまに祀ってある寺もあるが、
どうやら自在天単独を本尊とするのは禁止されているようである。

続く~


※1…大日如来が全ての生きとし生けるものを教化する際、己こそが最も尊いと教えに従わなかったので
  踏み殺されたという話もある。いずれにせよ、反仏教の立場なのだろう。

※2…五大明王の内の一つ。明王とは力の仏。人間の家庭で言えば、子供がきちんと育つには母の慈悲と
   親父の拳骨がいるのと似ている。優しさだけでは人は救えないという考え方から生まれたのかも。

※3…仏教ではこの世は六つの世界、即ち、天界・人間界・畜生界・餓鬼界・修羅界・地獄からなるという考え方。
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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
momijiyagohukuten.com

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