~続き厨子の中に入っているのは金銅仏だ。伝来はこのようなものだ。奈良時代の話。行基が彫った霊木仏があった。それから時が流れて平安の始め、この仏像が祀ってある寺が火災になった。その時、慈覚大師円仁がこの寺の噂を聞き赴いたおり、焼け残り炭と化した霊木仏の胎内から一体の小さな金銅仏を見つけた。その金銅仏は釈迦如来であり、これが尋常ではない仏像と気付いた円仁はすぐさま裂に包み、それから完全秘仏とした。それ...
記事の続きを読む