2017-08-02
◆陶馬の話
我が家は商売屋ですが、先祖から観世音菩薩像を祀っている。
その観世音菩薩像には昔の人が奉納したと伝わる宝物品が多数残っているが、その中には変わった物も少なくない。
例を挙げると土で出来た馬の小像がある。

素焼きされた、サラブレットとは違う太く短い脚が特徴のお馬さんだ。
大きさはおよそ煙草の箱位だ。小さなものである。
一体これは何なのか?父の話によれば、古墳時代くらいあるかもしれないとのことであった。
この陶馬、元々は埋めることを目的で作られたようだ。
調べてみと似たようなものがいくつか発見されていることが分かった。

上の画像は手元の資料によれば、日進市の折戸75号窯から出土したもの。
陶馬の出土例は窯跡が多い。
しかしながら、「何故窯跡から出るのか?」はハッキリしていない。理由がよく分からないのだ。
また出土する場所は、窯跡以外には祭祀跡から出て来ることもあると言う。その場合、中にはわざと脚などを折り取った状態で見つかることもある。
祭祀跡で足がない陶馬が出るのは、馬は祟り神の乗り物として製作され埋められたが、それがまた出てこないようにという意味もあるのでは?と考えられているようだ。
つまり、馬は生贄として、相手へのお供えとして埋められるということだ。
実際の出土例として、本物の馬が埋められるという例もある。

愛知県内の川原遺跡では、馬の頭蓋骨が発掘されていた。
中には全身埋められていることもあるが、川原遺跡の頭蓋骨だけを埋めるというのも、生贄として埋めたものの、全身が揃うと出て来るとこまるので、あえて頭だけを埋めたのかもしれない。
おそらく、最初期の頃の生贄は本物の馬を埋めていたが、やがてそれが焼き物の馬に変わったのだろう。馬は古くから人間の生活に密着していた大切な動物だったので、その大切な動物を神へのの生贄とした。しかし、いなくなると生産性も劣るし困るのでそれが土で作った陶馬へと変わったのだろう。
窯跡から出て来るというのは、私が思うに火の神への供物という意味があるように思う。火の神は人が恐れる祟り神ではないので、足を取る必要もない。なので完全な姿で出て来るのだ。
うちに残る陶馬は観世音菩薩像に奉納されたものと伝わるが、足は折れていないので、祟る神を祀る場へ埋められたものでは無いというのが分かりました。
ちょっと安心です。
その観世音菩薩像には昔の人が奉納したと伝わる宝物品が多数残っているが、その中には変わった物も少なくない。
例を挙げると土で出来た馬の小像がある。

素焼きされた、サラブレットとは違う太く短い脚が特徴のお馬さんだ。
大きさはおよそ煙草の箱位だ。小さなものである。
一体これは何なのか?父の話によれば、古墳時代くらいあるかもしれないとのことであった。
この陶馬、元々は埋めることを目的で作られたようだ。
調べてみと似たようなものがいくつか発見されていることが分かった。

上の画像は手元の資料によれば、日進市の折戸75号窯から出土したもの。
陶馬の出土例は窯跡が多い。
しかしながら、「何故窯跡から出るのか?」はハッキリしていない。理由がよく分からないのだ。
また出土する場所は、窯跡以外には祭祀跡から出て来ることもあると言う。その場合、中にはわざと脚などを折り取った状態で見つかることもある。
祭祀跡で足がない陶馬が出るのは、馬は祟り神の乗り物として製作され埋められたが、それがまた出てこないようにという意味もあるのでは?と考えられているようだ。
つまり、馬は生贄として、相手へのお供えとして埋められるということだ。
実際の出土例として、本物の馬が埋められるという例もある。

愛知県内の川原遺跡では、馬の頭蓋骨が発掘されていた。
中には全身埋められていることもあるが、川原遺跡の頭蓋骨だけを埋めるというのも、生贄として埋めたものの、全身が揃うと出て来るとこまるので、あえて頭だけを埋めたのかもしれない。
おそらく、最初期の頃の生贄は本物の馬を埋めていたが、やがてそれが焼き物の馬に変わったのだろう。馬は古くから人間の生活に密着していた大切な動物だったので、その大切な動物を神へのの生贄とした。しかし、いなくなると生産性も劣るし困るのでそれが土で作った陶馬へと変わったのだろう。
窯跡から出て来るというのは、私が思うに火の神への供物という意味があるように思う。火の神は人が恐れる祟り神ではないので、足を取る必要もない。なので完全な姿で出て来るのだ。
うちに残る陶馬は観世音菩薩像に奉納されたものと伝わるが、足は折れていないので、祟る神を祀る場へ埋められたものでは無いというのが分かりました。
ちょっと安心です。
スポンサーサイト
2012-09-30
紐通し 蓋直し
愛知県のO様からの注文で無くなっていた紐を通し、
蓋裏の桟を修復しました。

紅葉屋ではこんな注文も承ります。
無論、加工業務だけではなく、文化財復元小袖(着物)や
古美術品なども扱っております。
愛知県ならどこでもお伺い致します。
蓋裏の桟を修復しました。

紅葉屋ではこんな注文も承ります。
無論、加工業務だけではなく、文化財復元小袖(着物)や
古美術品なども扱っております。
愛知県ならどこでもお伺い致します。
2012-09-16
2010-06-27
浦島太郎の話
とある方の許可を得て、珍しいものの写真を撮らせて頂いた。
ものは古いきれを用いた財布で、その金具が江戸期の目貫を使用してあった。
その目貫が大変珍しいものだった。その方の意見と一致したが、
玉手箱を持っている人物や、その前に座っている人物の姿からこれだと思った。
昔話で御馴染の「浦島太郎」の目貫なのだ。その目貫の人物構成が奇妙だった。
題材は物語の丁度後半部分、浦島太郎が竜宮の王様から玉手箱を貰う場面である。

三人の人物が見てとれる。向かって右から
浦島太郎、竜宮の王様、そして写真だと分かりにくいかもしれないが、恵比寿さまだ。
浦島太郎の話には恵比寿様は出てこない。目貫から読み取れる情報から推測してみた。
・玉手箱を貰う際、何と二択だった。
・玉手箱以外の選択肢には「桃」があった。
・恵比寿が竜王を止めようとしているようだ。
・玉手箱を渡すのが姫ではない。
浦島太郎について興味が出て来たので少し調べてみたが、昔は「浦 嶋子」だった。
また、丹後の方では、浦 嶋子は何と神として祀らている事が判明した
(浦島神社がある)
本格的に調べてみないと何とも言えないが、恵比寿が登場することや、
桃と二択になる話はないように思う。
この目貫、貴重な伝説が背景に隠れた、新発見の目貫かもしれない。
浦島太郎については、資料が少なすぎるがいつか調べてみたい。
ものは古いきれを用いた財布で、その金具が江戸期の目貫を使用してあった。
その目貫が大変珍しいものだった。その方の意見と一致したが、
玉手箱を持っている人物や、その前に座っている人物の姿からこれだと思った。
昔話で御馴染の「浦島太郎」の目貫なのだ。その目貫の人物構成が奇妙だった。
題材は物語の丁度後半部分、浦島太郎が竜宮の王様から玉手箱を貰う場面である。

三人の人物が見てとれる。向かって右から
浦島太郎、竜宮の王様、そして写真だと分かりにくいかもしれないが、恵比寿さまだ。
浦島太郎の話には恵比寿様は出てこない。目貫から読み取れる情報から推測してみた。
・玉手箱を貰う際、何と二択だった。
・玉手箱以外の選択肢には「桃」があった。
・恵比寿が竜王を止めようとしているようだ。
・玉手箱を渡すのが姫ではない。
浦島太郎について興味が出て来たので少し調べてみたが、昔は「浦 嶋子」だった。
また、丹後の方では、浦 嶋子は何と神として祀らている事が判明した

(浦島神社がある)
本格的に調べてみないと何とも言えないが、恵比寿が登場することや、
桃と二択になる話はないように思う。
この目貫、貴重な伝説が背景に隠れた、新発見の目貫かもしれない。
浦島太郎については、資料が少なすぎるがいつか調べてみたい。
2010-06-26
白州正子さんの話 その3
~続く
商品を取りに行ったら、そこには白州正子さんがいた。
父が抑えた古代ガラスを熱心に見入っていたそうだ。
先にガラスを抑えた人物が父だと知った正子さんは、
「なんだ、鬼の子か…
」
と言ったそうだ。
どうも売約済みとなってしまった古代ガラスの内、2,3点が気にっていたようだった。
「これとこれを分けてくれんかね。金で加工して指輪を作りたい」
と正子さんは言ったが、それは特に美しいガラスだったので、
父は返答に困ったそうだ。
が、結局それを譲ることにした。
後日、白州正子さんから荷物が届いた。
中にはお礼の手紙と江戸時代の金襴の古裂財布が入っていた。

流石にやることが粋だよなぁと思った。
父は今でも古代ガラス(ネックレス状に組んである)をこの財布に入れ大切にしている。
おしまい。
商品を取りに行ったら、そこには白州正子さんがいた。
父が抑えた古代ガラスを熱心に見入っていたそうだ。
先にガラスを抑えた人物が父だと知った正子さんは、
「なんだ、鬼の子か…

と言ったそうだ。
どうも売約済みとなってしまった古代ガラスの内、2,3点が気にっていたようだった。
「これとこれを分けてくれんかね。金で加工して指輪を作りたい」
と正子さんは言ったが、それは特に美しいガラスだったので、
父は返答に困ったそうだ。
が、結局それを譲ることにした。
後日、白州正子さんから荷物が届いた。
中にはお礼の手紙と江戸時代の金襴の古裂財布が入っていた。

流石にやることが粋だよなぁと思った。
父は今でも古代ガラス(ネックレス状に組んである)をこの財布に入れ大切にしている。
おしまい。
Powered by FC2 Blog
Copyright © ◆ 『神仏御縁結』 紅葉屋呉服店の店主のブログ All Rights Reserved.